支持率の低迷が続く岸田政権。しかし、岸田首相は政権の長期化を諦めていないという。では首相が考えている、秋の総裁選を勝ちぬくためのプランとは? 永田町の事情通“赤坂太郎”が迫る!

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岸田首相は「総裁選を乗り切れると思っている」

 政治不信の真っ暗闇に迷い込んだ岸田政権。今年9月の総裁選前の解散を模索し続けてきた総理大臣の岸田文雄だが、とても勝負に出られる情勢ではない。

「衆議院の解散は俺と総理で決めている。俺が解散はないと言っているんだから、ないんだ」

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 自民党幹事長代理の木原誠二は、6月の電撃解散を心配する若手議員にこう言い放った。

衆院予算委員会で答弁する岸田首相 ©時事通信社

 内閣支持率が概ね20%台で低迷する中、今解散すれば与党過半数割れの可能性も十分にある。党内でも、今解散すべきという声はまったく聞かれない。中堅議員は吐き捨てるように言う。

「岸田さんは森(喜朗)元総理に気を遣わないで、誰がなぜ裏金作りのスキームを始めたのか徹底的に調査すれば支持率も上がるのに。森さんへの電話事情聴取が単なるセレモニーだったと暴露されて黙っているようじゃあ、国民の信頼は得られないよ。解散なんてとんでもない」

 党内での岸田の信任は地に堕ちている。だが岸田は未だに長期政権を諦めていない。焦点は、解散を打たずに、9月の総裁選を勝ち抜く方策があるかどうか。総理周辺が語る。

「岸田さんは総裁選を乗り切れると思っている。旧統一教会問題も裏金問題も岸田さんが起こしたんじゃない。総理としてやるべきことはやっているという自負が根底にある」

 岸田の過去2回の総裁選で、いずれも選挙対策本部長をつとめた前総務会長の遠藤利明は、岸田に次のように伝えている。

「自民党が混乱するのは挙党体制が崩れた時だ。派閥も解消したんだし、国会が閉じたら岸田さんの思う挙党体制のオールスター内閣を作ったらいい」

 オールスター人事の要諦は、党のナンバー2である幹事長人事だ。現幹事長の茂木敏充と岸田との信頼関係は、とうの昔に崩れ去っている。茂木が党務の責任者のままでは、衆議院選挙の態勢が組めないばかりか、総裁選もどのように仕切られるか分からない。

 では一体誰に代えるのか。岸田周辺はこう打ち明ける。

「世論の人気が高い石破(茂元幹事長)を取り込んだらいい。そもそも岸田さんと石破さんは、仲が悪い訳じゃないんだ」