アダルトビデオへの望まない出演を防ぐ目的で、AV出演被害防止・救済法(通称:AV新法)が立法されるなど、社会の変化に伴ってAV業界も、その姿を変え続けている。

 デビューから20年にわたって、セクシー女優として活動を続ける翔田千里氏は、“中の人”として、時代の移り変わりをどう感じているのか。業界の変化について実感を聞く。

©文藝春秋

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業界の”変化“

――近年は、セクシー女優の方が地上波テレビ番組に出演されるなど、かつてに比べると女優さんが大衆化しているような印象を受けます。

翔田千里(以下、翔田) 私、業界外とのつながりがほとんどないので、社会の人がどんな風にAV女優を見ているのかが全然わからないんですよ。

――では、業界内での変化について、感じられることはあるでしょうか?

翔田 性病検査が義務づけられるようになったり、契約書が交付されたり、ちゃんとした業界になってきたな……といった印象ですね。

 最近は昔に比べて、女優さんが「そんな話は聞いてなかったんだけど」ということが、ほとんどなくなりました。以前は、よりよいものをつくろうというスタッフさんの熱意もあってか、「こんなことできる?」「あんなことできる?」と、現場の即興で追加で撮影されることもよくあったんですが、今ではありません。

現在は、一つ一つのプレイに対して、撮影の前段階でOK/NGを伝えられるようになっている ©文藝春秋

 作り手も変わってきました。“クリエイター”から“ビジネスパーソン”になってきているといいますか。「こんなのが撮りたいんだよね~!」とアピールする熱いスタッフさんが減って、“仕事”として現場入りする方が増えた印象です。

 変化ですから、いいこともあれば、そうでないこともあります。でも、業界全体としては、昔に比べていい方向に向かっていると思いますね。