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業界が大きく変わるな…

――近年の大きな変化でいうと、2022年に施行されたAV新法があったかと思います。翔田さんが初めて存在を知ったのはいつ頃でしょうか。

翔田 2022年5月、X(旧Twitter)のトレンドになっているのを見て知りました。AV新法が成立しそう……といった話題だったと思います。

©文藝春秋

――そのときはどのような印象を受けましたか?

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翔田 業界が大きく変わるな……と。

 以前、一時的に引退していた際、ちょうどAV出演強要問題が社会問題化していて。AVAN(AV人権倫理機構)という団体が立ち上がって、これから業界がガッツリ変わりそうなとき、私は業界の人間として立ち会えなかったんです。だから、今回はしっかり関わろうと思って、施行後も「いい方向に変えられるはず」「女優が立ち上がらなきゃいけない」と、メーカーに署名を集めに行ったり、いろいろと活動をしていました。

――関係メーカーへのヒアリングが行われず、立法から約1週間という急ピッチで施行されたAV新法。予定されていた撮影が中止になったり、法対応のためのメーカーへの負担が増えたり、さまざまな問題が指摘されていますが、翔田さんはどのようにお考えでしょうか。

翔田 法律は、知恵と、人の涙と、尊厳の歴史でつくられると思うんですよ。AV新法ができたときには、それがまったくないなと思いました。業界へのヒアリングがほとんど行われずにつくられた法律ですし、当事者としては「AV女優は弱い被害者」だという前提でつくられている部分が大きくて。これは本当に悔しいよね……と感じます。

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 ただ、現行の法律に問題があったとしても、業界が団結してよりよくしていこうという考えが根底にあれば、間違った方向にはいかないと思います。いっそ業界全体をよりよくできるチャンスだと捉えて、みんなで手を繋いでがんばっていこう! というところですね。

――具体的に、どのように変わっていけばいいとお考えでしょうか。