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翔田 一つ挙げるとすれば、AV新法がこれから業界に入ってくる女の子たちだけに適応している内容に留まっている、というところは変わるといいな、と。もちろん望まない出演を防ぐのは大切ですが、5年、10年やっている人たちにとって、現状のAV新法はあまり必要ないのではないかなと考えています。

実際に使われている契約書 ©文藝春秋
改正案こそていしゅつされたが、現時点ではどれだけキャリアを重ねていたとしても、一作品の出演にあたって数十ページの契約書に目を通さなければならない ©文藝春秋

 女の子一人ひとりで状況は違いますから、新人と中堅、ベテランで、それぞれに適した内容になっていけばいいなと思います。新しく入ってくる女の子たちは守りつつ、状況や経験に応じた適切な割り振りをすれば、女優もメーカーも負担や縛りが減って、今よりも業界がよくなっていくはずです。

女の子が搾取されない人生のために

翔田 女優さんたちには、この業界を辞めていくときに「入ってよかったな」と思ってほしいんですよね。そのために、私がこれまで経験して身につけてきた“知恵”を共有したいです。

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©文藝春秋

 例えば、事務所から言われたことを鵜呑みにするんじゃなくて、いろんな生き方があることを知らせていきたい。業界内での立ち回りはもちろん、引退後に搾取されない人生のために、女の人も立ち上がっていこうね、って。そのためには、やっぱり知恵が必要だと思うんですよ。

 この記事もそうですが、これまでの経験や私自身の考えをちょっとずつでも発信していけば、「お話聞かせてください」っていう人が出てきてくれますし、周りの女優さんたちにもそういう話をしていきたいです。

 来年の引退後は、より一層そうした活動に力を入れていきたいと考えています。