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捨てるんじゃない、「出す」ことが大事

やました 余った食品はとりあえず凍らせておけば安心っていう。でも私たちはフレッシュなものが食べたいし、冷凍したものを解凍するのも面倒。で、また買ってきちゃう。すると冷凍死体が堆積していく。

渡辺 やだ、鶏のモモ肉もいっぱいある(笑)。

やました それをみんなやってるわけ。収納の名を借りて。断捨離は始末なんです。始末って「始まり」に「末」と書くけど、始末をつけたからこそ始まるよって言っているわけ。人間の体もそう。ちゃんと排泄したからこそ美味しく食べられる。捨てるんじゃないの、「出す」ことが大事。

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松本 便秘してたら具合が悪くなっちゃいますよね。

やました まさしく。「流れ」が私たちの命の本質。流れを滞らせないことが健康の基本。家も同じ。断捨離をしないのは「トイレに行きたくない」って言ってるのと同義だから。

松本 私、インタビューで、健康の秘訣だとか若さの秘訣を聞かれると、「食べる、寝る、出すですかね」って答えることが多いんです。先生の本を読んでいたら、とにかく「出す出す出す」とあって(笑)。結局、体と一緒なんだなって。

やました 究極をいえば、「出す」「入れる」の繰り返しなんだよね、人生は。

 

●自分との関係性を見つめ直すという断捨離のプロセスや、息子や夫など家族のものの処分についてなど22歳で「断捨離」という考えに出会ったやましたさんが、義実家との関係を経て卒婚に至るまでなど、対談の全文は『週刊文春WOMAN2024夏号』でお読みいただけます。

文・辛島いづみ 写真・釜谷洋史 ヘアメイク・三上津香沙(渡辺)

やましたひでこ/「断捨離」提唱者。1954年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。大学在学中にヨガの指導員となり、「断行・捨行・離行」の哲学に出会う。2000年ごろから石川県の自宅で、断捨離のセミナーを始め、2009年、55歳で出版した『新・片づけ術 断捨離』がベストセラーとなる。現在は鹿児島・指宿のリトリート、石川、東京の三拠点生活を送る。

のみやまき/1960年北海道生まれ。ピチカート・ファイヴのヴォーカリストとして90年代渋谷系ムーブメントを起こす。モバイル・ファンクラブ『おしゃれ御殿』好評募集中。
www.missmakinomiya.com
​インスタグラムアカウント @missmakinomiya

まつもとたかみ/1965年大阪府生まれ。80年代後半、ソニーなどの名CMでCM女王と呼ばれる。本人がプロデュースした更年期世代の女性に嬉しいアイデア満載の『大人の女史会』×「natiaral」のコラボアパレルが発売中。
​インスタグラムアカウント @t_mimi1414

わたなべまりな/1970年東京都生まれ。86年、おニャン子クラブでデビュー。翌年の解散後も歌手、タレントとして活躍。2000年代には台湾旅、ピラティスのブームの火付け役にも。
​インスタグラムアカウント @funnyfacefunny

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野宮さん、松本さん、渡辺さんの週刊文春WOMAN連載『大人の女史会』で話してほしいテーマ、お悩みをwoman@bunshun.co.jp(件名を「大人の女史会」に)もしくは 〒102-8008 東京都千代田区紀尾井町3-23「週刊文春WOMAN」編集部「大人の女史会」係までお寄せください。匿名でも構いませんが、「年齢・性別・職業」をお書き添えください。