生きてきた年月分のモノが積み重なっている女史会の3人。最近は終活を見据えた「片づけ」が大きなテーマです。そこで「断捨離®」の提唱者であるやましたひでこさんに極意を教えてもらうことにしました。『週刊文春WOMAN2024夏号』より一部を抜粋して紹介します。

女史会の3人とやましたひでこさん

ひと部屋を片付けて、ほとんどのモノを捨てました

やました もう終活?

渡辺 いまからやらないとって。それで私、大掃除をしたんです。ちっちゃいお部屋を一つだけ。先生、ちょっと見ていただいていいですか、うちの部屋を(とスマホの写真を見せる)。

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やました 自己開示ね。

渡辺 開示します(笑)。ちょうど16年前に家を建てて、3畳ほどの部屋を作ったんです。趣味の手芸をやりたくて。でも、びっくりするぐらいモノが溜まっていって、物置みたいになっちゃった。見てください、こんな状態だったんです。

やました ああ、モノが床置きになっちゃったんだ。

渡辺 そう。しかもモノというか「塊」(笑)。それをリビングに出して広げてみたらこんなにいっぱい。

やました 俯瞰してみたんだ。で、全部出したらこんなにあった。驚いたでしょ。

渡辺 はい。よくこんなに溜めたなと。そして片付けた結果がこれ(ガランとした部屋の写真)。ほとんどのモノを捨てました。

やました やりましたね。

渡辺満里奈さんは「夫はストック魔。小さい頃からモノがないと不安になるみたいで」と話す

渡辺 でも私1人では無理だったので、友人に手伝ってもらったんです。で、「それ誰かにあげたら」とか「メルカリで売った方が」とかを一切考えずにどんどん処分して。これは大切だろうなと思うもの以外を1日目に全部捨てたんです。

やました まず、誰かと一緒に片づけたのが素晴らしい。やっぱり1人でやるのはつらいもん。あまりに向き合いすぎちゃうから。

渡辺 そうなんです。で、思い出にまつわるものが最後に残ったんです。子供が小さいときに描いた絵とか、受験のときの思い出の品とか、ゼッケンとか。結局、それも全部捨てました。

野宮 すごい! 私、社会人になった息子の昔の作品、いまだに捨てられないよ。

渡辺 後悔するかもと思ったけど、中学生の娘も高校生の息子もいらないって言うし、私が執着してもね。いまはほんとにスッキリ。

やました 満里奈さんがまずなさったのは、最初に「塊」とおっしゃったけれど、その塊を分解したんだよね。分解の「分」は「分かる」という意味。そして「解」も「解る」という意味。いまの自分に必要なものと必要じゃないものを「わかる」っていうことをまずなさったわけ。

女史会 なるほど~。