野宮真貴さん、松本孝美さん、渡辺満里奈さんが気になる話題を語り合う「大人の女史会」。今回は「筋肉は裏切らない」でお馴染み、NHK「みんなで筋肉体操」に出演している運動生理学者の谷本道哉さんをお招きして、女史会世代のための筋トレを教えてもらいました。『週刊文春WOMAN2024春号』から一部を抜粋・編集の上、紹介します。
筋肉は何歳からでもつく
谷本 近年、筋トレが注目されるようになったのは、みんな長生きをするようになったのが要因の1つでしょう。健康のための運動といえば、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動が昔は推奨されていて、それは今も変わりません。
ただ、加齢とともに筋肉はどんどん落ちていきますから、それに対して筋肉をつけていかないと、ずっと自立して元気に動けないし、そもそも健康維持のための有酸素運動もできなくなってしまうので疾患のリスクも上がってしまう。そこで、何はともあれ筋トレが大事だと。ですから、女史会世代ぐらいが一番始めるべきとき、なんですね。
松本 遅くありませんか?
谷本 大丈夫。何歳からでも筋肉はつきます。
渡辺 70代80代でも?
谷本 90代の被験者での研究も多くあります。施設に入所されている方などは特に効果が高く、めちゃくちゃ筋肉がつきます。
女史会 へえ!
谷本 運動習慣があって元気な方より、普段の負荷が小さい人のほうが「伸びしろ」があるんです。
女史会 なるほど~。
谷本 そして、女史会世代がいますぐ始めるべき理由としては、細胞が減ってくるから、なんですね。
野宮 細胞が減る?
谷本 細胞って入れ替わるイメージがありますよね。でも、筋組織や脳などの神経組織は基本的に細胞が入れ替わっていくのではなく、生まれながらの細胞がずっとある。つまり細胞数が減るというのは死滅していくということで、それが急速に進むのが50代60代。
女史会 し・め・つ‼
お尻を鍛えるにはスクワットが効果的
野宮 じゃあ、更年期世代に一番大切な筋肉の部位は、というと、どこでしょう?
谷本 生活機能に直結するところとして、やっぱりももの前とお尻、なんですね。
渡辺 私、お尻を鍛えたい。一生、自分の足で歩くにはお尻に筋肉をつけることだと雑誌に書いてあって。
谷本 人間はお尻とももの前で立ち上がるんですが、半々か6:4ぐらいでお尻を使う。なので、もも前だけじゃなくて、お尻もちゃんとやらなくちゃいけない。
野宮 どういうトレーニングがいいですか?
谷本 スクワットですね、やっぱり。お尻を大きく後ろに突き出したフォームがいいです。