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母の介護のために、スクールに通い、得たものとは。
本岡さんは母親が要介護4になったのをきっかけに介護問題に取り組み、小説を書かなかった時期に3冊の関連書を上梓している。
「初めは介護の基本を身につけようと、ヘルパー2級の資格を取るためのスクールに入りました。その実習の現場でとんでもない体験をし、さまざまな現状を知りました。その強烈な体験があったので、実際に施設で働いた上できちんとしたものを、と思って書いたのが2009年刊の『介護現場は、なぜ辛いのか』(新潮文庫)でした。
その後も高齢社会の諸問題を扱った企画を週刊誌で1年半続けました。この間にいろいろな人に会い、取材しました。世代も生活もまったく違うさまざまな人と出会ったことが、今回の小説を書くに当たっても大いに役立ちました。
小説を書かなかった期間が長かった分、抱いているアイデアはいくつもありますし、すでにいくつか書き進めています。この年齢になるとあと何作形にできるのか不安になることもありますが、これからも面白い作品を書いていけたらと思っています」