「セダンは車の基本形」も今は昔、街ゆく車はミニバンやSUVばかりになった。「車高の高さ」が正義の時代に、“車高短セダン”に魅入られてしまったマニアたちの素顔に迫る!

 今回は、トヨタ・マークXをカスタムする運送業の「まさやん」さんをご紹介。

車選びはいつも弄ることが前提だという「まさやん」さん

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離婚後、何かが爆発したかのように…

 18歳で免許をとって、最初に買ったのは三菱のトッポBJという車でした。弄っている人はほとんどいない車でしたけど、昔からそういうのを改造していくのが好きなんですよね。

 その次はライトエースノアを買って、張り出しエアロを組んだりして。車弄りそのものが好きなので、車体の購入費が安く済むマイナー車種を選びがちなんですよ。流行っているカッコいい車だと、どうしても買う時に高くついちゃいますから。

展示のためエアサスで車高をベタベタに落とした状態のマークX

 このマークXも、今でこそかなり流行っていますけど、自分が買った時にはまだ弄っている人が少なかったんです。あまり弄られていない車だと、パーツがないのは大変なんですが、一度形にしてしまえば「こんなのもあるのか」って思ってもらえるかなって。

多くのワンオフ加工によって実現した唯一無二のボディライン

 ただ、この状態まで仕上げたのはここ3年くらいのことですね。買ったのは10年以上前なんですけど、当時は結婚していたので、そこまでお金も使えず、節目にちょこちょこ弄っていくような感じでした。

 実はそれ以前にも結婚していた時期があって、どちらの相手も車好きで、改造にも理解はあったんですけどね。それでもやっぱり優先順位がありますから、自然と趣味も控えるようにはしていました。

ディープコーン型のステアリングでスポーティに決める

 それもあってか、2度目の離婚をしてからはもう、それこそ何かが爆発したかのように。一気に400万円~500万円くらい注ぎ込みましたね。自分のなかで抑えるものがなくなって、完全に車だけになったというか。

 ただこれだけ弄ってしまうと、普段乗りにはかなり厳しいので、普段の足にはスズキのパレットを使っています。以前はこの車で色々なところに行っていたんですけど、今はフェンダーを鉄板からワンオフで作っているので、ちょっとぶつけるだけでも150万円~200万円とか。万が一を考えると、そう気軽には乗れないですね。

ダクトのようなメッシュ地がボディラインのアクセントに

 2度目の結婚の時にできた息子とは今でも会っていて、やっぱり車好きに育っていますね。この車で会いに行くこともありますが、そのたび仕様が変わるので、「赤くなったね」とか「うるさくなったね」とか。まだ8歳なので、そんなに細かいところはわからないんですけどね。

結婚を機に抑えていたカスタム欲が、離婚後まもなく大爆発したという

 やっぱり自分の息子だなと思えるので、将来も車が好きなままでいてくれたら嬉しいですね。