「セダンは車の基本形」も今は昔、街ゆく車はミニバンやSUVばかりになった。「車高の高さ」が正義の時代に、“車高短セダン”に魅入られてしまったマニアたちの素顔に迫る!

 今回は、トヨタ・クラウンマジェスタに惚れ込む現場職の「りょたまじぇ」さんの熱い思いをご紹介。

クラウンの上位車種に位置づけられるクラウンマジェスタ

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中古車店で「別ジャンル」の車に一目惚れ

 もともと「ワイルド・スピード」が大好きで、ずっと映画に出てくるような改造車に乗りたかったんですよね。高校を出てしばらくフリーターをしながら、購入資金と改造資金を貯めて、去年ようやく目処が立って。

 最初は100系のチェイサーを買うつもりで、車屋さんに見に行ったんですよ。でも、実際にお店で目に留まったのはこのマジェスタで。もう完全に一目惚れで、意識がこっちに持っていかれちゃいましたね。

 自分は四角っぽいフォルムが好きなんですけど、この車はボディもライトもテールランプも全部四角いじゃないですか。大柄で存在感もあって、「これは目立つな……」と。

威圧感のあるリアビューはマジェスタの大きな特徴

 ただ、勢いのまま契約したのはいいんですけど、当時はワイスピの影響で「改造車=ネオンに車高を下げたスポーツカー」みたいなイメージしかなくて。VIP系というジャンルがあることすら知らず、最初はどう弄ればいいかわからなかったんですよね。

 周りの同年代にはそもそも車好き自体が少ないですし、もちろんVIP好きな人もいないので、SNSを通じてVIPに乗っている人たちとつながっていって。色々と教えてもらいながら、少しずつ弄っている感じです。

ステアリングには木目調のカバーを装着

 今ではだいぶ方向性も固まってきて、今風の弄り方というよりは、このマジェスタが流行っていた頃の雰囲気に近づけられるように仕上げています。タイムスリップじゃないですけど、自分よりも上の世代の人たちが自分の車を見て「あ、懐かしいな」と思ってくれたらいいですね。

 今は水道管工事の現場職をやっていますが、職場には少し上の世代の車好きが多くて、車の話題で盛り上がることも多いですね。このマジェスタを見て「あぁ、昔こういうのあったよなぁ」と懐かしんでくれたり。

シートカバーで明るい印象に仕上げた

 親もこの車には肯定的なんですよ。最初は黙って買ったので、事後報告した時には「なんで何も言わずに買っちゃうの」とかなり怒られたんですけど。それでも、いつもキレイに乗ろうとしているのを見てくれているのか、最近は「カッコよくなったね」と言ってくれるんです。

メッキホイールが足元を妖しく輝かせる

 知識がない状態から乗りはじめて、一人じゃこうして弄ることもできなかったですし、これからも周りの人とのつながりを大切にしながら乗っていきたいですね。