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あたかも欲望に操られた生き様

 喜劇の駒たるビョンスが、野菜を摂らせる女から肉を食わせる女に、共生する女を替えるなど、あたかも欲望に操られた生き様の男一人。

 これも喜劇の一環として「大いに笑ってくれ」と彼は言っている…。

 

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『WALK UP』
INTRODUCTION
 ベルリン国際映画祭銀熊賞を5度受賞するなど名匠としての評価を高め、独自のタッチを追究するホン・サンス。長編28本目という今作も、誰も見たことのない映画に仕立てた。
 都会の片隅に建つ地上4階・地下1階建ての小さなアパートを舞台に、映画監督ビョンスが1階ずつ上がっていくことで4章立てとなるのだが、異なる女性たちとの錯綜した関係性が描かれるうち、各階の世界が奇妙なパラレル・ワールドめいてもきて…。
 小さな驚愕に満ちた本作を支えるのは、ホン・サンス作品の常連俳優たちだ。

STORY
 映画監督ビョンス(クォン・ヘヒョ)は、インテリア関係の仕事がしたいという娘ジョンス(パク・ミソ)を連れ、旧友であるインテリアデザイナー、ヘオク(イ・ヘヨン)の所有するアパートを訪ねる。
 1階がレストラン、2階が料理教室、3階が賃貸住宅、4階が芸術家向けのアトリエ、そして地下がヘオクの作業場というアパート。3人は地下でワインを酌み交わすが…。  
 時は流れ、ビョンスはアパートを再訪。2階で時を過ごし、やがてビョンスは3階、そして後に4階で、それぞれ異なる女性と生活を送るようになる。

STAFF & CAST
監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス/出演:クォン・ヘヒョ、イ・へヨン、ソン・ソンミ、チョ・ユニ、パク・ミソ、シン・ソクホ/プロダクションマネージャー・スチール写真:キム・ミニ/2022年/韓国/97分/配給:ミモザフィルムズ/6月28日公開