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指示役から被害者の自宅に向かうように指示されたが、事の重大性に気づきためらったという。
「『そんなことはできない』と拒否はしました。ですが、すでに私の個人情報は彼らに把握されていましたし、『家族にこのことを話す』と脅され、逃げ道はないと感じました。指示に従うしかありませんでした」
「『金庫の中の紙幣が偽札の可能性がある』と話せ」
そして、指示されるがまま、大久保さんはターゲットの家のインターホンを押した。
指示役から下されたのは、「警察官のフリをしろ」「『おたくの金庫の中の紙幣が偽札の可能性がある』と話せ」いう指示だった。
「自分が何を言っているのかも、相手が自分をどう見ているのかも、なにもかも分かりませんでした。ただ、震えた手で3階にあげてもらったことを覚えています」
拍子抜けするほど簡単に家の中に侵入することができたという大久保さん。そして——。罪を懺悔しつつ、被害男性を騙した手口を明かし始めるのだった。
現在、「週刊文春電子版」では「特殊詐欺『受け子の懺悔』」と題する連載を配信している。大久保さんがそして警察官のフリをして被害者の家に侵入した後に起こった出来事を始め、特殊詐欺のリアルな実態を詳しく報じている。
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