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若い頃より強くなったロックスピリット
──若い頃と比べ、ロックスピリットが薄れたり、守りに入ったりするようなことはないのでしょうか。
吉川 ないですね。むしろ、ロックスピリットは強くなっているように感じます。
多分、僕は意固地なんですよ。偏屈といったらいいかな(笑)。
見得を切りながら、しなやかに生きていきたいと思ってはいても、それってすごくバランスが難しいんですよね。見得を切り続けると偏屈に偏っていき、「ああはなりたくないな」と思ってきた扱いにくい爺さんに近づいている気もします。気をつけないと(笑)。
──『キングダム 大将軍の帰還』での大沢たかおさんと吉川さんの一騎打ちは、「扱いにくい爺さん」どころか、お互いに背負ってきたものの大きさや重さを感じる、大迫力のシーンとなっていました。
吉川 若いうちにかっこいいだろう、これが素敵なんだ、と思っていたことって、今とはまったく違いますよね。
若い頃には決して出せなかった人生の重みが、今は逆に出せるようになったかなと思います。
日本人はいまだに「若いことが美しい」みたいな風潮がありますが、「若い」って結局、「愚か」と同義語ですからね。「ピチピチさがいいだけで、味わいもへったくれもあったもんじゃない」という言い方だってできるわけですよ。
だから僕は、本当に面白いのは、50歳を過ぎてからだと思っています。なんて、負け惜しみも多少入っているかもしれませんが(笑)。