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「歌い手としては、声が出なくなったら引き時かなと思いますね」大病を乗り越え、挑み続ける吉川晃司(58)の“見得の切り方” <来年還暦>

吉川晃司さんインタビュー #2

2024/07/12

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画, 芸能, 音楽

note

10歳以上年下の現役キックボクサーとトレーニング

──ご自分に限界を感じることは、まだなさそうですね。

吉川 そうですね。サッカー選手の三浦(知良)くんがまだ50歳くらいだった時に、「高校時代から練習量は全く変えていない」と教えてくれたんですよ。それを聞いて、「よし、俺も」と思いまして、それ以来、若い頃よりきついトレーニングをしていますが、今のところまだ全部クリアできています。

 あんまり言うと無理してるように聞こえるかもしれませんが、2021年に狭心症の手術をしてからは心臓の調子もすこぶるよくなって、息も上がらなくなりました。

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 いま、現役のキックボクサーと一緒にトレーニングしているんですけど、彼は彼で、僕に負けたら立つ瀬がないと思うとやる気がみなぎるそうです。

 彼は46歳で、格闘技の選手としてはかなり高齢です。いろんな意味でケツに火がついている彼と、年齢に抗い続ける僕が一緒にトレーニングをすることが、今のところ非常にいい作用を生み出しているので、しばらくは続けてみようかと。

5月のCOMPLEXライブでは「痛みなんて全部忘れてました」

──今年でデビュー40周年を迎えます。ふりかえってみて、いかがですか?

吉川 僕が一番軸にしているのは歌手活動です。これまで、コンサートツアーに来てくださるみなさんに元気になっていただく、笑顔で帰っていただくことを、自分の役目と信じてやってきました。

 観客の力が集まると、ステージの上ではできそうもないことができたりもします。

 5月に「令和6年能登半島地震」の復興支援を目的とした東京ドーム・COMPLEXチャリティーライブをしたんですけど、結構怪我だらけだったんですよ。でもライブ中は脳から何かが出てきて、痛みなんて全部忘れてました。これって、お客さんがくれる力なんですよね。

 そうやって応援してくださるみなさんがいることをありがたいと思い、パワーをいただきながら、これからも怯まず力まず、しなやかに生きていきたいです。