そして、立憲民主党、共産党、社民党が支援している蓮舫氏は、3党の支持者のそれぞれ約7割の支持を集めているが、国民民主からも35%の支持を集めているのだ。
つまり、国民民主党の支持者は小池氏を支持するか、蓮舫氏を支持するかで割れている状況となっている。
国民民主党と言えば、日本最大の労働組合の中央組織「連合」の中でも、民間企業系の労働組合が中心となる「同盟系」によって支えられている政党だ。
民間企業は政府の経済政策によって業績が左右される可能性があるため、国民民主は自民と協調路線を取ることもあり、民主党系の中でも政治的にはやや保守的な立場になる。
また、連合は経営陣と協力して会社の利益を上げ、その中で労働者の待遇を改善していこうとする「労使協調」の路線を取るため、資本主義から共産主義への転換を訴える共産党とは相容れず、共産との選挙協力も忌避する傾向にある。
人口移動が激しい東京都ならではの選挙戦略
一方で、蓮舫氏については共産が前面に立って支援を行っている。
人口移動が激しい東京都では、そもそも都内の民間企業などに勤めている人たちが千葉や埼玉、神奈川などの近郊から通勤していて、都内の投票権を持ってない場合も多いため、連合による集票力は他の地域に比べて弱くなってしまいがちだ。
それよりも、市民運動の参加者や共産党の支持者など、リベラル層の票のほうが稼ぎやすいという事情があり、立憲の東京都連は共産との選挙協力に積極的で、連合とは距離を取る傾向にある。
こうしたことから、蓮舫氏は「立憲共産党」とも揶揄されているわけだが、その中で国民民主都連と連合東京は小池氏の支持に回ったわけだ。
ただ、小池氏は自民からの支援も受けているため、小池氏を応援することは自民と一体だと批判されかねない。
現在、自民党は裏金問題で大逆風となっており、その再発防止のために行われた政治資金規正法の改正も不十分ということで、支持率は現在進行形で低迷しており、野党各党は自民との対決姿勢を強めている。