公約に「労働政策」を盛り込んだワケ
実際に、国民民主も19日の党首討論では、玉木雄一郎代表が岸田文雄首相に対して辞職を求め、20日には立憲が提出した内閣不信任決議案に賛成し、岸田政権に対してノーを突き付けた。
こうした中、連合東京も都知事選において傘下の産別組織が蓮舫氏を支援することを容認する考えを示しており、それが今回の情勢調査では国民民主党支持者の投票先の分断に繋がったと言えるだろう。
こうした流れに対して、蓮舫氏も支持を広げようとしている動きが見て取れる。
蓮舫氏は都知事選の公約として「7つの約束」を掲げたが、その1つ目に「現役世代の手取りを増やす」という政策を掲げ、具体的には「新しい条例で、東京都と契約する企業に、働く人の待遇の改善を要請する」ことや、「東京都の非正規職員を、専門職から順次正規化するなど処遇改善を進める」ことなどを盛り込んだ。
これらの労働政策は連合東京や国民民主支持者をターゲットにした内容とも言え、蓮舫氏がリベラルの岩盤支持層だけでなく、さらにそこからパイを広げようとしていることが分かる。
選挙戦の中でこの蓮舫氏の戦略が功を奏するか否かが、小池氏と蓮舫氏の勝敗を分けることになるだろう。
「第三の勢力」支持拡大の背景にあるもの
こうした中で第三の勢力として台頭しつつあるのが石丸氏だ。
石丸氏の支持層を分析するとほかの候補にはない特徴が見て取れる。
支持政党別の投票先を見てみると、れいわ新選組と参政党の約2割から支持を受け、さらに調査の一覧にはない「その他」の政党(NHK党や日本保守党などが含まれると見られる。無党派層は別に聞いているため含まれない)の支持者から約3割の支持を受けているのだ。
新興政党の中でもれいわ新選組はリベラル、参政党は保守のイメージが強い。
実際にれいわの約45%は蓮舫氏を支持し、一方で参政党の約6割は小池氏を支持している。
なぜ、この両極端な2つの政党から、2割という一定の支持を石丸氏が集めているのか。