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「細かいこと言うたら、あかんのよ。ざっくりやねん」

――お兄さんから見ると、学歴詐称はあり得ない?

「あり得ないよ。カイロって暑いんだよ、夏は。そんな中で勉強しよるんよ。エアコン無いやろ。貧乏やから。だから、お嬢さんやって言われるけど、お金の面はお嬢さんじゃないから。もう勉強するときに、たらいに水張って足突っ込んでやってたって。大変やったと思うんですよ。尊敬するよ、頑張り屋でしょう。まあ、あるとき、僕のカイロの事務所に妹が来て。『兄ちゃん通ったよ、卒業しました』って。僕は『そうか、良かったな』。だから、詐称なんてあり得ない」

父の七回忌で(右が勇氏)

――本当に1976年に卒業したと?

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「細かいこと言うたら、あかんのよ。ざっくりやねん。要するに卒業証書の日付がどうのって言うてたけど、大体がゆっくりした国なんだから。ハンコが汚い? 今ならコピペでピピッとできるけど、昔はゴム判やで。汚いのが当たり前なんやから。日本国のことしか知らん人が、開発国のこと語れないでしょ。卒業証書、ここが間違ってるとか、そんなのエジプトじゃ当たりめえだろうって感じはするよ。日本の、あまりに生真面目な石橋を叩いて石橋を壊してしまうような、重箱の隅をつつくのが大好きな人たち。それで見ちゃダメだって」

――学歴詐称疑惑のことは何かアドバイスをされてきた?

「それは言ってるよ。『大学にきっちりさせてもらったらいい』って、昔から言ってた。だって、証明できるのは出した人でしょ。自分で証明はできないから。『それしかないんじゃないの』って」

カイロ大の卒業証明書 ©文藝春秋

百合子さんにおっしゃった? 「うん、メールでね」

――百合子さんは都知事になろうというのは、どの時期から考えていた?

「都知事になるのはね、安倍(晋三)首相の時に干されるんだよね。どっちかっていうとポジション下がった。まあ自民党だし、順繰りでポジション与えないといけないから、しょうがないんやろうけど。そうすると、自分が思ってることができないかもしれないと判断した。そんなもんと思うよ」

――最近は百合子さんと連絡している?

「あんまりないですね。あんまりというか、ほとんど(ない)。だって、僕は日本にいるのは年2カ月ぐらいですし。仕事が開発コンサルタント、要するに途上国の支援のためのプランナーやから。だからコロナの時とか、僕はプランナーやから、分かるわけよ。こうしたらいいとか。プランナーっていうのは、軍事上で言ったら参謀ですからね。データから見て、こうなんじゃないかと分析したらこうなるんや、とか。これは防疫だと。ほら、防衛大臣だったからその時の防疫のことを考えればいいんだと」