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「持参した『ホンボシ』を渡すと…」

「異動で新たな担当検事さんが着任し、その方と6月17日に面会しました。新しい検事さんからは冒頭、『じっくり、しっかり捜査していきたい』とお話がありました。『遺族からの要望があれば、公正公平な判断をするためにも遠慮なく言ってほしい』と。持参した『ホンボシ』を渡すと、『自分で買いますから』と最初は固辞されたのですが、最終的には『任意提出』ということで受け取ってくれました」

 面会の間、検事の手元に視線を送ると、事前に提出した上申書や陳述書の資料に、何カ所も黄色の蛍光ペンで線を引いているのが見えたという。

「木原事件」の全貌がわかる一冊だ

 今後の捜査の展望を佐藤氏はこう読み解く。

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「検事さんは事件性があるかどうかを自分で確認したいと思う。そうなると、事件が発生した2006年当時の解剖医や、なぜ自殺に傾いていったかを知る当時の捜査員に話を聞く必要があるでしょう。その上で、2018年の捜査関係者を最低4人は呼ばないといけない。1人はX子さんの取調官をやった俺、捜査を指揮していた係長と管理官。そして、捜査を止めろと言った刑事部長。この4人に聞けば、大体の流れはわかります」

 種雄さんの母は今も捜査がいつまでかかるのかを考えると「体が震えて夜眠れない」という。遺族の思いに捜査が報いる日は来るか。