2022年、Xに投稿され、話題になった運転免許証のビフォーアフター画像。ちょんまげ姿から、目の周りや頭皮が赤や黒に彩られた男性は滋賀県で古美術商を営む大黒堂ネロ氏だ。
首から下も黒く全身タトゥーを施し、耳ピアス(軟骨拡張)は34mmで、世界一の大きさだという彼に、タトゥーを彫ったきっかけや耳ピアスを拡張し続ける理由、周りの反応などについて聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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「何もない自分に何ができるか」すごく考えていた小さい頃
――最初にタトゥーを入れたのはいつでしょうか。
大黒堂ネロ(以下、ネロ) 18歳の時です。高校を中退して、通信制に通っていたんですけど、その時にタトゥーを入れている人が周りにいて。それでカッコいいなと思って、軽いノリで入れました。
――ご家族や同級生が入れていたり?
ネロ いえ、全然なかったです。小さい頃は「おかあさんといっしょ」や「天才てれびくん」を見ていたような子どもでしたし、タトゥーを見たことはありませんでした。
――小さい頃は何に興味があったんですか。
ネロ 特に趣味も好きなこともなかったです。自分に何も特徴がなくて、それが嫌で。何もない自分に何ができるかってことをすごく考えていました。
――意外です。
ネロ で、自分にできることは同じことを何回も繰り返すことだと思って。特別なことはできないけど、昔から何かに熱中することが多くて。
同じことを何度も繰り返すことによって一つのことをいろんな角度から見れるじゃないですか。そうすると自分の思考力も高まる。その経験が今の自分の元になっていると思います。
彫り師さんから「全身黒にしてみる?」と言われて
――以前は和彫を入れていたそうですね。
ネロ 最初は腕全体にタトゥーを入れてのですが、入れてもらった彫り師が失敗で、デザインが汚かったんです。それで、知り合いに彫り師を紹介してもらって。それからはずっとその人にお願いしています。