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「苦笑いしてしまった」「打ち切り漫画のように急に話がしぼんでしまう」…ゲームの“リメイク作品”が陥りがちな“落とし穴”とは〈あの有名ファンタジーRPGでは…〉

10時間前
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リメイク自体は良くも悪くもなく、足を止めることに問題がある

 一方で「原作そのままだからこそ懐かしくてよい」と解釈するユーザーもいる。

 もちろん、懐かしむ行為自体はなんら悪くない。しかし前述のようにビデオゲームは進歩の早い文化であり、それこそ数年でゲーム機が代替わりするように、常に変化を続けている。インターネットやスマートフォンの登場によってビデオゲームは大きく変化したし、ARやVRといった技術が生まれれば、それを活用しようと柔軟に態様を変えるものなのである。

 にもかかわらず「古いものこそがよい」といった考えに囚われてしまえば、ビデオゲームは進歩を捨て去ることになり、同時に新しい層も開拓できず、単なる古臭いものに成り下がってしまうだろう。

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 改めて書くが、リメイクが良い悪いという話ではない。ただの懐古に過ぎないものはビデオゲームと相性が悪い、というだけである。リメイクでありながらも進歩したゲームはあり、たとえば「バイオハザード」シリーズのリメイクは懐かしさと新しさを両立した作品として世界から高い評価を得ている。

 いずれにせよ、新しい商品を出すための都合、ビデオゲームの文化としての成熟、そしてゲームを好む高めの年齢層の人々が増えた……といった要因から、今後もさまざまなリメイクやリマスターが出続けるのは間違いない。ビデオゲームもまた、若くない文化になりつつあるのだ。

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