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東京のカレーうどん文化を牽引してきたレジェンド店

(3)「こんぴら茶屋」 トマト牛かれーうどん(ホット)

 

 とにかくカレーが濃厚!

 麺を持ち上げるとずっしりと重みを感じます。

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 食べてみるとびっくり、カレーの存在感に負けないだけの出汁の旨味がある。

 カレーうどんの出汁は、カレーに負けない様にと、通常の2倍のいりこを使ってるんだとか。

 これぞカレーうどん界の横綱級の美味しさ。

 東京のカレーうどん文化を牽引してきたレジェンド店です。

(4)「五代目 花山うどん」 銀座店 鬼釜

 

 約5cmある幅広の「鬼ひも川」が名物のお店。

 ひらひら食感の秘密は、幅5cmに対して、厚さは1mm程度という驚きの薄さ!

 この対比が、他では食べられない魅惑の食感を生み出します。

 ひとまずは汁をかけて麺だけを食べて、そのぴらっぴらの口当たりを楽しみます。

 あとは玉子やお肉とからめて食べれば、新たなうどんの魅力を感じること間違いなし!

(5)「麺匠 釜善」 とりちくわ天うどん(ひやひや)

 

 博多うどんのだしと讃岐うどんの麺を合わせたハイブリッドなうどん店。

 とびうお(アゴ)を中心に丁寧にとった出汁は、澄んだすっきりとした味の中に、しっかりと魚介の旨味を感じる。

 その一方、麺は都内でも最強クラスでは? というくらい、コシが強い。

 太めの麺を思いっきり頬張って、ワシワシと噛み切ると、小麦の美味しさと出汁の旨味が渾然一体となって、最高の美味しさになります。

 うどんはコシ! という人も、うどんは出汁! という人も、両方納得できる名店です。

覆面でうどんを360杯食べ歩いた理由

 もともとこの連載は、僕が企画して、うちの事務所でページ制作をしているんです。

 であれば最初から「ホフディラン小宮山雄飛のうどん日和」みたいなことで、顔を出してやってもよさそうですが、連載が始まった13年前ってまだミュージシャンが食を語るということが一般的じゃなかったんですね。

 今だったら、グルメ系の連載も沢山やってますし(文春オンライン<じゃない方のグルメ>もよろしく!)、カレーレシピ本も3冊出してるくらいですから、普通に名前を出してやると思います。

 ただ、13年前に、しかも冷凍食品メーカーのホームページで、ミュージシャンがうどんを食べ歩く企画というのは、一般的に違和感の方が大きかったんです。

「なんでミュージシャンが、うどんの連載やってるの?」っていう反発というか、見え方の方が圧倒的に多そうだった。

 でも、僕はどうしても自分が参加して、食べ歩きたかった(ただの食いしん坊ですね)。