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「保守的な運用をし過ぎた結果…」

「農林中金が特別なことをした、つまり、(資産運用において)博打的リスクを取ったわけではないんです。むしろ、保守的な運用をし過ぎた結果だと考えている。農林中金は債券、特に流動性が高く、安全性が高い米国債を中心に運用していた。ところが、アメリカの金利が矢継ぎ早に上がった。その結果、巨額の投資をしていたために、含み損が出てしまったのです」

「それは運用の失敗と言えるのか」との問いに対し、森岡氏はこう反論する。

「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演した森岡氏 ©文藝春秋

「私は農林中金は運用が下手だとは思っていません。むしろ優秀な人材が揃っている。彼らはリーマン・ショックの時の失敗を踏まえ、ずっと安全運転をしてきました。そして、『過剰資本で資本効率が悪い』と言われるほど“資本の幅”を厚くしてきたのです。つまり、農林中金は他の金融機関が損切りをしなければいけない状態でも、(ある程度の赤字には)耐えることができてしまう。大丈夫だったから頑張りすぎた。そして逃げ遅れてしまった。こういうことだと思います」

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 農林中金がV字回復するカギはどこにあるのだろうか。「文藝春秋 電子版」のオンライン番組では、森岡氏が農林中金の危機について解説する動画「農林中金『1兆5000億円規模の赤字』“史上最大の危機”はなぜ訪れたのか《V字回復のカギは?徹底解説》」の全編を配信している。