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  ただ、この論理には異論もあろう。必ず価格は戻り、取得時より上昇すると確約できるわけではない。かつ、損失をいつまで抱えているのか、その間の逸失利益(別の方法を取っていれば得られたであろう利益)はどうなのか。むしろ「損切り」して、次の投資に振り向けた方がいいのではないか、との考えもあろう。

  しかし、初心者であればあるほど、「投資を始めたけれど損が出て、もう投資はこりごりだ」という声をよく聞く。投資は「継続」することが重要なのに、それを放棄しては本末転倒だ。

  その観点からも、ファイナンシャルプランナーが異口同音に説くように投資の鉄則は、「長期・積立・分散」にある。

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  リスクの方向性が違う商品を組み合わせ(分散)、自分の投資目的にあったポートフォリオを創り、長期的視野で投資する。その際、ドル・コスト平均法という手法も有効だろう。

  ドル・コスト平均法とは価格が変動する商品に対して、「常に一定金額を、定期的」に購入する方式だ。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)が多く、価格が高いときには購入量(口数)がすくなくなり、平均購入単価を抑えることが期待できる。

  長期投資に適した運用手法であり、かつ名称が示すように、基軸通貨である「ドル」をベースに価格を評価する点も優れている。投資の世界では、ドルでいくらの価格かという尺度でみていくことも重要な観点となる。

写真はイメージ ©︎AFLO

「年金ファンドのファンドマネージャーになったつもりで」

《年金ファンドGPIFのポートフォリオから離れすぎるな》

  新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、それぞれ非課税で投資できる上限金額が定められている。両枠の併用も可能で、「つみたて投資枠」には国が定めた一定基準を満たした280余りの投資信託がメニューとして並ぶ。

  一方、「成長投資枠」では、投資信託やREIT(不動産投資信託)、国内外の債券・株式への投資も可能だ。

  そうした新NISAによる投資で、自身のポートフォリオを創る際に参考になるのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)だろう。GPIFの基本ポートフォリオは、伝統的な4資産と言われる国内外債券、国内外株式にそれぞれ25%ずつ均等に投資する構成になっている。

  GPIFの運用方針は「さまざまな資産を長期にわたって持ち続ける『長期運用』によって、安定的な収益を得る」というものだ。まさに個人投資の鍵である「長期・積立・分散」と合致している。自らがGPIFのような年金ファンドのファンドマネージャーになったつもりで運用してみるのもいい。