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「長期の運用ではアクティブはパッシブに勝てない」という名言
運用は投機ではなく投資であり、企業や国の成長を買う感覚でいてほしい。少し儲かったので売り、別の商品に乗り換えるのは、コスト(手数料負担)などを勘案すれば得策ではない。
銀行や証券などの販売事業者のなかには、こうした回転売買を勧める(それが販売事業者の利益拡大になる)向きもあるが、年金ファンドのようにじっくりと構えて、長期保有に徹した方がいい。
ちなみにGPIFの年平均の運用収益率は過去10年間で約6.8%だった。2015年度と19年度はマイナスだったが、逆風の2年をしのいで、直近では過去最高の運用益を計上している。
《長期投資なのにアクティブな個別銘柄投資に偏り過ぎるな》
すでに新NISAで投資を始めた人の中には、全世界株式(俗称:オルカン)やS&P500などのインデックスファンドに投資している人も少なくないと聞く。
著名なアナリストでコンサルタントでもあるチャールズ・エリス氏はベストセラー「敗者のゲーム」の中で、長期の運用ではアクティブ(個別銘柄投資)はパッシブ(インデックス投資)に勝てないと説いている。
アマチュアのテニスで例えれば、素晴らしいショットを打つ(アクティブ投資)よりも、限りなくミスをすくなくした方(パッシブ投資)が勝利者となるというものだ。年金基金などの機関投資家が運用会社や運用商品を選ぶ際に、最も重要視するのは、運用会社の運用哲学である。儲かりそうだからこの運用会社や商品を選ぶというものではない。個人投資家もそうあるべきだろう。