ぽろっと涙をこぼされた紀子さま

 紀子さまが「年末から体調が優れず、通常の食事がとれない状態」だと宮内庁が公表したのは、今年1月6日のこと。ストレス性のものと囁かれる「胃腸の症状」が強まる直前の昨年12月1日、紀子さまは、災害や事故などで家族を亡くした人々への寄り添いがテーマの映画「グリーフケアの時代に」の公開初日に訪れていた。

 上映後、紀子さまは出演者やスタッフとご歓談。池田小の殺傷事件で長女を失ったことを契機に、自身もグリーフケアの活動を始めた女性に、紀子さまはこうお尋ねになった。

「あれほどのつらいことのあと、悩み悲しむ方の相談を受けるときに、どのようなお気持ちでいらっしゃるのですか」

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 女性はこう答えた。

「皇室の皆様が国民にむける温かい眼差しや佇まい、その姿がグリーフケアそのもの。僭越ながら参考にさせていただいています」

 それを聞いた紀子さまは突如、ぽろっと涙をこぼされたという。案内役の益田祐美子さんが振り返る。

「形は違えど、同じ思いや悲しさを共有していらっしゃるのかも、と感じさせられました」

 国民の思いに寄り添う。そんな理想像のもと、紀子さまは人知れず活動を続けてこられた。3月1日には千葉県市川市の筑波大学附属聴覚特別支援学校を訪れ、幼稚部でひな祭りの催しをご見学。案内役を務めた、西垣昌欣校長(当時)が振り返る。

「ひな人形に扮した子供たちが楽器を演奏し、歌に合わせて踊る小さな発表会です。宮内庁から『小さな子供への“聞こえ”の支援を見学できるような機会があれば』と打診があったためご提案したもので、取材設定は無し。騒ぎにならないよう、学校にもお気遣いいただいたのだと思います」

 だが、思うように改善しないご体調が、深く影を落としたご活動もあった。

 2月14日には、秋篠宮が金沢市の済生会金沢病院をご訪問。能登半島地震の支援活動などを視察され、被災者を見舞われた。

「体調不良がなければ、ご夫妻でご訪問されたはずです。実際、このころ紀子さまは周囲に『被災地へ行きたい』と相談されていた。国民の悲しみに寄り添うことを理想とする紀子さまは、是が非でも一緒に訪問されたかったでしょう」(前出・秋篠宮家関係者)