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古川 目の前のシャッターが突然閉まったような感覚ですね。医師の隣にあったゴミ箱のような容器を抱えながら、「オエッ……」とえずきながら泣きじゃくって、過呼吸になってしまいました。

 

どの医師からも「こんな症例は経験したことがない」と驚かれる

――古川さんご自身にとってもショッキングだったと思いますが、お母さんはそのときにどのような反応をされていたのでしょうか。

古川 母も泣いていたと思います。私はとにかく手術が怖くて泣いてしまっていましたね。

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――珍しい病気だったとのことですが、そのまま地元の病院で手術を受けられたんでしょうか。

古川 いえ、何度か転院したものの、どの医師も「こんな症例は経験したことがない」と驚くようなリアクションでした。結局、何度か手術は受けたものの、地元の病院では対応できないとのことで、京都府の大学病院で根治手術を受けました。珍しい病気だったからか、担当医が若手医師などを連れて症例の説明をしていたような様子を覚えています。

 後々、世界的な医学雑誌にも症例報告が載ったと聞かされました。

――何度も手術を経験したとのことですが、回数としてはどれくらいだったのでしょうか。

古川 11回、ですね。

――思い出すのも辛い話かと思いますが、どのような経緯だったのでしょうか。

古川 最初に経験した手術は、松果体腫瘍が原因で起きていた水頭症の手術でしたね。告知から即日で入院になって、すぐに手術をしました。

 開頭しないといけなかったので、手術日の朝に看護師さんに毛髪を刈ってもらいました。

手術前

 それから入院は2ヶ月ほど続いて、さらにもう一度手術を受けました。