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摂食障害も…一時は食べると吐くように

――どんなご家庭で育ちましたか。

 母は専業主婦で、父は営業をやってきたサラリーマンというごく普通の家庭です。両親ともに文系ですが、私と兄はなぜか理系に進みました。母はよく「トンビが鷹を産んだわね」と言うんですよ。

――両親から「こんな風に育ってほしい」というようなプレッシャーを感じたことは?

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 ないです。「勉強しろ」と言われたこともないです。逆に「バレエもいつでもやめていいんやで」「たまにはボーっとしいや」と、言われてきました。私自身の完璧主義は、両親が原因でなく、もともとの性格なんだと思います。

――著書『はだかの白鳥』(飛鳥新社、2024年5月刊)では、ご自身の摂食障害について触れていますね。

 実はまだ引きずっています。最初は中学生の時、バレエに熱中するあまり体重を絞ろうとして、ご飯を食べられなくなったことが始まりでした。この病気はなかなか治るものではありません。大学院で研究室に入った時は、食べると吐くようになっていました。ドクターや教授にダメ出しをされて、自分を追い込んでいる時でした。就職してからも波はあって、今も気持ちに負荷がかかると、摂食の問題は出てきます。

――AV女優になってからの精神状態はどうですか。

 

 とても楽しいですし、やりがいを感じています。SNSでの反響やこの本のように、できることをとりあえずやって、それが色々な方向へ広がっていく感じが私にとってはすごく新鮮です。長らく数学や科学の世界で生きてきたので、答えはいつも1つでした。でも今はそうじゃない。わからないことでも、とにかくどんどんやってみる、どんどん書いてみる。答えを1つに定めないでいいと教えてもらっている気がしています。

将来への“葛藤”

――著書にはAV女優になる時に「結婚や彼氏を諦めていた」と書かれています。

 そうですね、いつか子供を産んでみたいと思っています。それに付随して、恋人ができて結婚できたらいいなとも思います。でもそれは非常に難しい。実際、AV女優になる前に知り合った年上の男性がいたんですけど、あと一歩、「付き合いましょう」という話にならないので、「彼氏彼女の関係になれないのは私がAV女優だからですか」って聞いたんです。そうしたら「そうです」とはっきり言われました。もちろん相手の言い分もわかるし、私も今すぐ結婚するのは無理です。それでもいつか引退した先に、結婚して出産できたらいいなという願望を持っています。