大阪大学大学院の理学研究科を修了し、上場企業に勤め、32歳でセクシー女優に転身した藤かんな氏(34)。AV出演が会社にバレてクビ、バレエ教室の講師もクビ、それらの事実をSNSに投稿したことで“炎上”も経験した。彼女はなぜアダルト業界に飛び込み、女優として生きる道を選択したのか。(全3回の1回目/#2に続く

藤かんなさん

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「何でAVなの?」とよく聞かれるけど…

――著書『はだかの白鳥 阪大大学院卒でAV女優に』(飛鳥新社、2024年5月刊)が4刷ということで、話題ですね。

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藤かんな(以下、藤) すごく嬉しいです。AV女優になるまでの葛藤やAV女優になってからの経験、喜び、怒りをこの本に吐き出しました。

――大阪大学大学院の理学研究科を修了した後、上場企業に勤めていた藤かんなさんが、なぜAV女優になったのかを聞かせてください。

 「何でAVなの?」と、よく聞かれます。「事務所にだまされてない?」とか「ワケありで無理やりやらされてんの?」とか、「借金があるの?」とか。でも、私自身は会社に勤めている時から「何で?」と思うほどの壁を感じていませんでした。身一つでやるところがアスリートっぽくてかっこいいな、くらいに思っていました。じゃあ、「なぜAV女優になったか」と聞かれると、これはなかなか一言ではまとまらなくて……。

 

――最初にAVに触れたのはいつですか?

 初めてAVを見たのは、20歳の時です。当時の彼氏と行ったホテルで見ました。女性の身体って綺麗やなーと思って、ドキドキしました。繰り返し見ているうちにふと、「この人やったら私の方が体、綺麗やな」とか「この女優さんやったら私の方が勝ってるな」なんて、考えるようになったんです。

 私は、幼いころからバレエをやっていて、高校に入るまでずっとバレエと学校だけの生活でした。高校の時、バレエに限界を感じて勉強に専念するため、通っていたバレエ教室を辞めたんです。初めてバレエから離れて、高校で入った陸上部の部活仲間と初めて性的な話をしました。みんなそういうことに興味津々の年頃で、「血が出るらしいで」「むちゃくちゃ痛いらしい」って。その話をそのまんま信じて、付き合っていた彼氏がいたのですが、「高校生のうちに入れるとかは絶対に無理!」と思っていたんです。