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田嶋会長の発言からわかること

 代表監督を評価するのは誰か。

 Number951号に田嶋会長のインタビューが掲載されている。「日本代表監督を評価、選定する立場でもある技術委員長自身が監督に就くことには、違和感もあります」という編集部の投げかけに対してこのように応じている。

「私は長年にわたって代表監督の人事に関わってきました(強化副委員長、技術委員長として)。そのなかでも最も直接的に関わったのが、加藤久さんとともに加茂周監督との契約を検討したときです。当時、議論になったのが、技術委員会とは監督をサポートする立場なのか、評価する立場なのかということ。ずっと話し合ったなかで出た大まかな結論が、代表監督の人事とは、やはり会長が専権事項としてやっていくべきということでした。
 
 もちろん技術委員会も評価はします。でも、まずはチームと監督をフルにサポートすることだという意識でやってきました」

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 文脈から分かることは、技術委員会は評価よりもサポートに重点を置く組織であり、監督人事を選定しても選任する権利はないということ。代表監督に対する評価こそが重要な技術委員会の任務との筆者の認識は間違っていたことになる。なるほど、ハリルホジッチ前監督に対する技術委員会の評価が前面に出てこなかったのもうなづける。

 しかし待ってほしい。評価は多忙な会長がやるべき任務ということなのか。技術委員会のあり方について、ずっと議論が巻き起こってこなかったのか。「大まかな結論」のままで良しとしたのか。ならば、もう一度、議論を起こすタイミングではないだろうか。

©杉山拓也/文藝春秋

 本気で評価するから、本気でサポートできる。

 本気のコミュニケーションとは、そこから生まれてくるはず。筆者はあくまで評価とサポートがセットであってこその技術委員会ではないかと考える。

 日本サッカーの組織における問題点をあぶり出してくれたのだから、ハリルホジッチ前監督には感謝申し上げたい。

 ぶちまけ会見ではなかった。

 明日の日本サッカーを思う「日本の永遠のサポーター」からのメッセージだと、会見場に集まった330人超の一人として受け取った。