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飯田高校ウエイトリフティング部の快進撃

 3月24日に始まった全国高校選抜大会。飯田高校からは4人の選手が出場した。前出のエース・山下くんは自己新記録を出して優勝。同学年の濱野絢也くんと池本創くんが3位、キャプテンの干場勇旺くんが8位と、各階級で4人全員が入賞を果たす。

「苦しい3カ月でしたが、多くの方が支えてくださったのは、本当にありがたかったです。3月の選抜で結果を出すことで、自分も頑張ろうと思ってくれる被災者が100人に1人でもいれば……と、1人1人がそんな気持ちで競技と向き合ってきました」(同前)

 まだ復興の見通しすらつかないまま迎えた新学期、飯田高校に入学した新入生は、昨年の半分に過ぎない51名。それでも、中から3人の生徒がウエイトリフティング部の門を叩いた。

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ウェイトリフティング界のレジェンド浅田夫妻

 以後も、飯田高校ウエイトリフティング部の快進撃は続いた。今年6月、県高校総体で基準記録をクリアした上位入賞者7人が、北信越高校体育大会に出場。山下くん、2年生の橋本侑大くんら飯田高校の選手は5階級を制覇し、学校対抗の団体戦でも初優勝を果たしたのである。そして今夏のインターハイも好成績に終え、秋には国体が控える。

最高の舞台オリンピックへ

 かたや、開催中のパリ五輪。ウエイトリフティング競技は8月7日から始まった。かつて日本代表を率いた浅田さんが言う。

「珠洲市からはまだ五輪選手が出ていません。教え子の中から第一号が出てくれたら、こんなに嬉しいことはない。高校はインターハイ、国体、選抜の3つが大きな大会。競技者としては全日本選手権、国際大会、その先にある最高の舞台がオリンピックです。ウエイトリフティング部OB、OGの中には、高い意識を持って競技を続けている子がいます」

 4年後には、浅田さんの薫陶を受けてきた飯田高校出身の選手が、日の丸を背負っているかもしれない。