殺害予告を受けてミスコン授賞式で警察とランウェイ
——え。本物の警察官ですか?
入澤 そうです。ミスコンおじさんにケンカを吹っ掛けまくっていたら、「殺す」って言われて、殺害予告をされたんです。「ミスコン開催日、ランウェイの上でお前を殺すから」って。
殺害予告が出ているので、さすがに怖くて。そしたら警察の人が来て、一緒にランウェイを歩いてくれて。結局何もなくて安心しましたが、会場は盛り上がっていましたね。「え、なんで警察官といるの?」って。
——かなり貴重な体験を。
入澤 で、それがDVDになっているんです。伝説の。Amazonで今でも売ってます。
——結局その犯人は捕まったんですか?
入澤 いや捕まらなかったです。
——そのミスコンで賞を受賞してから芸能界に?
入澤 芸能を視野に入れたきっかけは、テレビ出演のオファーですね。ミスコンに出ると結構テレビ出演の依頼があるんですよ。運営の人から「こんな依頼があるけど出てみない?」って。各局のオーディションに行ったりしていました。
『さんまの東大方程式』に出演して爆バズり、一夜にして有名人に
——事務所にはその時点で所属していたんですか。
入澤 全く所属してないです。自分でやっていました。
一番最初に出たテレビが『さんまの東大方程式』で。たぶん私の代表作になっているんですよね。それ以降代表作がないと思うんですけど(笑)。
——入澤さんの知名度が全国区になった番組ですね。
入澤 そうです。そのオーディションには200人くらい来ていたと思うんですけど、そのうちの4人に選ばれて。こんな性格なので、オーディション中、ベラベラ話していたら「君しゃべれるね。持ってるね」みたいな。
——トーク番組、しかも司会はさんまさんですよね。緊張しなかったですか。
入澤 全然しなかったです。私、小さい頃からテレビっ子だったので、テレビに向かってずっと話しかけていたんですよ。それこそ『踊る!さんま御殿!!』を見ながらさんまさんにボケたりツッコんだりしていたので、かなり自信があったんです。
40分間の放送の中で、どうやったら目立てるだろうって考えて、自分で構成を作って。で、戦略的に東大生の方に絡みにいったら、爆バズりして。放送中からTwitterで盛り上がってしまって。「ぶりっ子」とか、「自分に自信ありすぎ」とか、「東大生のこと狙ってる」とか、いろいろと言われました。
翌日、両親からも、「あんたテレビ出てたでしょ」って連絡が来て。忘れられないデビューをしてしまいました。地元の友達からも「エッ、大丈夫?」みたいな。
——一夜にして有名人になったと。
入澤 すごいですよ。街を歩いても「入澤優だ」って指さされて。嬉しかったですけどね。こんなことなかったんで、私も芸能人だなって。
写真= 石川啓次/文藝春秋