光通信で多用される、ナゾの挨拶「オス!」と「ゾス!」の“正しい使い方”とは? 2003年、19歳で光通信に入社したのち最年少の役員に。さらにその後、HIKAKINと出会い、UUUMを創業し、日本のYouTuberの躍進を支えた鎌田和樹氏による初の著書『名前のない仕事──UUUMで得た全知見』(ダイヤモンド社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

ナゾの挨拶「オス!」と「ゾス!」とは? 写真はイメージ ©getty

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組織に染まりまくる自分

 光通信の出身者であれば、絶対に聞いたことがある言葉があります。

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「オス!」と「ゾス!」です。

 冒頭の合宿のバスの中で光通信の歴史をビデオで見て、僕は「なんか宗教っぽいな」とぼんやり思っていました。その合宿で叫んでいた「社訓」は、次のとおりでした。

光通信社訓

一つ、 我々は常にロマンと美学を持って行動すべし

一つ、 我々は常に謙虚で素直な気持ちを持って行動すべし

一つ、 我々は常に全体の調和を考えて行動すべし

一つ、 我々は常に真のエネルギーを持って目的の為に純粋な行動を取るべし

一つ、 我々は常に不可能の向こうに可能が、あきらめの向こうに成功があることを信じて行動すべし

 社訓は光通信では本当に大切なことで、朝礼のときに指名されると、両手を腰に当てて、「社訓、一つ、我々は……」と、大声で発声し、それに全員が続けて発声する文化がありました。

 そのように大事な文化として、「オス!」という言葉があります。

 最初の合宿中に、挨拶のことを「オス!」と言うと教わりました。

 それは、「おつかれさまです」を略すると「オス!」になるということでした(諸説あるかもしれません)。

 そんな「オス!」をいつ使うんだろう、と思いながら、保険のコールセンター時代では飛んでしまったので、あまり「オス!」を聞くことはありませんでした。

 そんなあるとき、上司のマネジャー(課長クラス)と一緒に、ある事業部の役員の部屋に行ったときでした。

「オス! 橋本、入ります!」と、上司が言ったのです。

 僕は戸惑いながら、「……オス!」と言いました。