「あれっ、左目に見えない部分があるな」
鎧塚 ボヤンボヤンとしたものがいくつか出てきて、「ちょっとぼやけている。なんか、変なのがあるな」みたいな感じでしたね。最初は、そのボヤンとしたものが左右のどっちに出ているのかわからないんです。で、片目ずつ閉じてみたら「あれっ、左目に見えない部分があるな」って。
女房が心配して「最悪、失明するよ」なんて言っていたんですけど、「さすがに失明はないだろ」と思っていたんです。でも、悪い方向に進んじゃって、結局左目を失明しちゃいましたね。
――当時は自分の体を過信していたところがあったのでしょうか。当時44歳で、働き盛りですし。
鎧塚 過信していましたし、かなり働いていました。目がボヤンボヤンしているのに、毎日0時過ぎまでガンガン働いていましたから。
だんだん落ちていく左目の視力
――痛みなどは。
鎧塚 個人差もあるようで、僕はそんなに痛くなかったんですけど、視力がだんだん落ちていきました。
――目は充血している状態?
鎧塚 ただれてくるんです。それでアイパッチをして仕事をしていました。サングラスでも良かったんですけど、アイパッチのほうが、「あっ、目が大変なんだな」と気づいてもらいやすいかなと考えて。
――義眼も考えたそうですが、医師の方から言われたわけですよね。
鎧塚 はい。手術を3回したんですけど、それでも良くならなくて、左目の視力は完全にゼロになってしまった。しかも、目がただれて全く見えなくなっても、眼圧が上がってくるのは収まらないんですよ。そこでお医者さんから「このまま行くと義眼しかない」と。もう見えなくなったのだから仕方ない、そう言い聞かせて義眼を覚悟しました。

