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 「正しいことを言っただけ」と開き直って非を認めない人も

「開示請求で特定した相手に共通するのは、『本人が悪いことをしたと理解できない』、罪の意識の薄さです。『自分は正義のためにやっているのに何が悪いんだ』とすら思っている。こういう相手は開示請求で特定されて、ようやく焦って謝罪に努める場合と、『正しいことを言っただけ』と開き直って非を認めないパターンに分かれます。また損害賠償の請求をしても支払い能力がなかったり、本人が逃げ隠れして家族に謝罪させるケースもありました」(同前)

 なかには開示請求で特定した相手の悲惨な生活を見て、依頼者自身が絶句してしまうこともあったという。

※写真はイメージ ©Paylessimages/イメージマート

「酷い中傷を受けていた依頼者がいたのですが、開示請求で相手を特定したら、地方で本当に貧しい生活をしていることがわかったんです。それを見て依頼者が同情して、『お相手があまりに可哀想なので依頼は取り下げます』と案件が中断したことがありました」(同前)

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開示請求を宣言すると、続々と謝罪連絡が…

 とはいえ相手に同情する必要はなく、誹謗中傷には毅然と対応することが大事だと中川さんは言う。

「実はSNSで大々的に開示請求をしていくと宣言したら、向こうから名乗り出て謝罪してくれることが増えたんです。法的措置を取った件数以上の人から謝罪連絡があり、和解交渉で賠償金もかなり回収できました。家族にバレる、裁判に巻き込まれるとなれば、途端に勢いもなくなります。いま誹謗中傷に悩んでいる人は、開示請求を宣言して、実際に何件か裁判してみると効果がありますよ」(同前)

 誹謗中傷をやめられない人たちの正体は、自身が糾弾されることに耐えられない人たちだったのだ。