コンビニかファミレスか、マザー牧場の3択だったんです
――まさに偶然ですよね。でも、どうしてマザー牧場でバイトしていたんですか?
唐田 出身が君津なんですけど、周りでバイトするならコンビニかファミレスか、マザー牧場の3択だったんです(笑)。バイト中に知り合いに会いたくなかったので、それなら山の上で、地元の人が意外と来ない牧場しかないって決めました。私は高1から高2の夏くらいまで働いていたんですけど、送迎バスはいろんなところを回るので片道1時間くらいかかるし、しかも朝と夜の1便ずつしかないんです。なので、バイトの日は牧場に丸一日いることになるし、けっこう大変でした。
――その頃はすでに、俳優やモデルのお仕事に関心があったんですか?
唐田 私には2つ上と4つ上の姉がいて、その影響で小さい頃からファッション誌を読んでいたんです。それで、モデルさんになる夢はあったんですけど、一方で現実的には私とは別世界、無理だろうなあって思い始めてもいたんです。ちょうど高2で、そろそろ進路考えなきゃって時期だったので。
――その当時、憧れていたモデルさんはいたんですか?
唐田 小学校高学年の頃から姉の『Seventeen』を読んでいたので、桐谷美玲さん、榮倉奈々さんが好きでした。そういう憧れもあって、小さいときから母には「モデルをやりたい」と伝えていましたし、中学生の頃は原宿を歩いていると実際に声をかけていただくこともあったんです。でも、もらった名刺を家に持ち帰って、机に置いたままにしていると祖母が「捨てなさい、絶対ダメよ、そんな世界」って(笑)。母は「向いてるんじゃない?」ってけっこう前向きだったんですけど、祖母が厳しかったです。
コマーシャル出演で、大反対だった祖母が「みんな見て」って
――マザー牧場でスカウトされた日はどうだったんですか?
唐田 まず母が「マザー牧場で? ほんとかな?」って怪しんで(笑)、祖母は相変わらず「絶対ダメ」っていう反応。後日、事務所の方があらためて実家にご挨拶に来てくださったときには、所属されている先輩方を知って母も私も「ここだ」って考えていました。でも祖母は頑なに「そんなにうまくいく世界じゃない、絶対苦しい」って。
――それから時間が経って、現在の唐田さんの活躍については、どんなことをおっしゃっているんですか?
唐田 逆に、家族で一番っていうくらい応援してくれています(笑)。最初にコマーシャル出演をしたあたりから、急に「私の孫が」「みんな見て」って。今となっては、心配だからこその厳しさだったと思うし、つくづく「ありがとう」って思っています。