11月から「ながら運転」は罰則対象に

「スマホを見ながら自転車運転」って、なぜそんな危険な真似ができるのか私は不思議なのだが、誰もがご承知のとおり、このところ多い。

歩きながらスマホを見るというのは、迷惑なだけで、事故にすぐに結びついたりはしないからまだマシだろう。しかし、自転車に乗りながらというのは、本気の本気で事故のもとだ。

写真=iStock.com/stevanovicigor ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/stevanovicigor

警察もこの危険性を考えて、取り締まりを強化している。今年5月には、自転車の「ながら運転」と酒気帯びへの罰則を新設した改正道交法が成立し、11月1日から施行されるという。

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2026年に導入予定の「青切符」(自転車の交通違反への反則金制度)の対象にも、もちろん「ながら運転」は入っている。

※連載第5回〈青キップ導入で「悠然と逆走するママチャリ」をなくせるか…危険自転車撲滅のために警察がやるべきこと〉参照

女子大生の危険運転が起こした悲劇

実際に有名どころでは、2017年に川崎でこんな事故が起きている。

20歳の女子大学生が電動アシスト自転車に乗っていた。彼女は右手に飲み物、左手にスマホを持ち、左耳にイヤホンをした状態だった。スマホをポケットにしまった直後に77歳の歩行者(女性)にぶつかって死亡させた。判決は、重過失致死罪で禁錮2年、執行猶予4年(求刑禁錮2年)となった。

何だこの判決は。

女子大生の自転車が、時速9キロと比較的低速で、彼女が反省していることなどから執行猶予付き判決となったらしいが、甘い。温情判決にもほどがある。ただ歩いていただけで命を奪われた被害者の立場はどうなる、と私などは思ってしまう。

しかしながら、同時に「自分もやりがちかも」と思ってしまうのが、この手の事故のたまらないところで、実際に多い。スマホを見ながら運転してるヤカラ。これは男女問わず。しかし、結果は重大だ。

「ながら運転」による重大事故は過去最多

警察庁によると、スマホなどを見ながら自転車に乗る、いわゆる「ながら運転」が原因となった人身事故は、年々増加している。