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片手がふさがり、視界も悪くなる「傘差し運転」
警察が言うところの「ながら」運転にはもうひとつある。
傘差し「ながら」運転だ。
これは正直申しあげて「ダメ」としか言いようがない。片手を傘でふさがれてしまう上に、雨降りだから視界も悪い。危険だから是非やめていただきたい。
ただし、難しいのは「サスベエ」という存在のことだ。ハンドルに傘差しの器具をつけて、そこに傘をくくりつけるという方法。大阪のオバちゃんなんかがよくやってますね。
あれはどうかというと、器具の取り付け自体は合法である。ところが、実際に傘を取り付けて広げると、おかしなことになる。
傘を付けると「普通自転車」ではなくなる
傘を取り付けると「鋭利な突出部を自転車に付ける」ことになってしまうし、傘を広げると「幅60センチ」を超えてしまう。こうなると、自転車は「普通自転車」として認められなくなるのだ。
※道交法施行規則〈普通自転車の大きさ等〉第九条の二
では「普通自転車ではない」ということになると、どうなるのだろうか。
どんな場合であれ、歩道通行が一切できなくなるのだ。これは大阪のオバちゃんにとっては致命的であり、雨降り自転車にとっても致命的だろう。
雨の場合は、素直にカッパを着て走っていただきたい。
疋田 智(ひきた・さとし)
自転車評論家
1966年生まれ。東京大学工学系大学院(都市工学)修了、博士(Ph.D.環境情報学)。学習院大学、東京都市大学、東京サイクルデザイン専門学校等非常勤講師。毎日12kmの通勤に自転車を使う「自転車ツーキニスト」として、環境、健康に良く、経済的な自転車を社会に真に活かす施策を論じる。NPO法人自転車活用推進研究会理事。著書に『ものぐさ自転車の悦楽』(マガジンハウス)、『自転車の安全鉄則』(朝日新聞出版)など多数。
自転車評論家
1966年生まれ。東京大学工学系大学院(都市工学)修了、博士(Ph.D.環境情報学)。学習院大学、東京都市大学、東京サイクルデザイン専門学校等非常勤講師。毎日12kmの通勤に自転車を使う「自転車ツーキニスト」として、環境、健康に良く、経済的な自転車を社会に真に活かす施策を論じる。NPO法人自転車活用推進研究会理事。著書に『ものぐさ自転車の悦楽』(マガジンハウス)、『自転車の安全鉄則』(朝日新聞出版)など多数。