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ハリスvsトランプのテレビ討論会は見もの

池上 とにかくトランプさんの熱烈なファンがいる一方で、トランプが大嫌いな人もいるわけですよね。トランプを熱烈に支持している人が40%、絶対嫌いな人が40%、残りの20%がどちらかなというところで、今回バイデンが撤退したことで「反トランプが実現するかもしれない」と思った人たちがどっと戻ってきた。それから、カマラ・ハリスって演説が結構上手ですからね。それでワッと人気が高まっている。しかしカマラ・ハリスは副大統領の時に影に隠れていたので、本当に実力があるかどうかがこの後試される。

入山 なるほど。結構私の理解では、ハリスは政策執行能力についてはあまり評判が良くないですよね。

 

池上 そうなんですよ。「不法移民問題をなんとかしろ」と言われていたにもかかわらず、南部に6ヶ月も行っていなかったんです。だから、そこが本当はどうなのか、というのはこれからわかってくる。今はハリス人気がありますけど、上滑りなのかもしれないということですよ。今の人気はちょっとバブルかもしれない。

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入山 そうなんですよ。これから公開討論会が行われて、トランプとカマラ・ハリスの間で政策論になっていくと、意外と「あれ、ハリスさん大丈夫?」っていう風になってくるかもしれません。

池上 なるかもしれないし、カマラ・ハリスってもともと検事だったわけですよね。カリフォルニア州の司法長官だったことがあって、弁舌というか人を追及する力ってのがすごいんですよ。つまり、大統領としての実力があるかどうかはともかく、人を批判する点においては非常に力があるんですよ。実は2020年の時に民主党の大統領候補選びの段階でバイデンとハリスが対決したことがあったんです。そしたら、ハリスがバイデンをやり込めちゃって、バイデンが絶句してしまった。ハリスもすごいと思いますし、最終的にそのハリスを副大統領に選んだバイデンもすごいと思います。

 そういう意味で言うと、トランプってやりとりするとき、話をはぐらかしたりすることによって、うまく受け流すのは上手ですよね。一方、カマラ・ハリスってのは人を追及するっていうところに力があるので、テレビ討論会は見ものですよ。

入山 たぶんカマラ・ハリスがガンガン追及して、トランプがうまくいなしていくみたいな。これは見ものですよ。