「俺や堀江(貴文)さんや著名人が利用された詐欺広告なんてすぐに判別できるでしょ? なめてんの?」「日本なめんなよマジで」(前澤友作氏)
「ずっとなめられている。規制しないとだまされてしまう人が出る」(堀江貴文氏)
SNSに多数掲載されている、著名人になりすまして悪質な投資を呼びかける「詐欺広告」。この問題に対する米メタ社(フェイスブックやインスタグラムを運営)の対応に、前澤友作氏や堀江貴文氏は怒りをぶつけた。
巨額の制裁金を科すような法律が日本にはない
〈メタは日本をなめているのだろうか。筆者は必ずしもそうは思わない。単に、営利企業に対してコストのかかる作業を行わせるだけの法制度が、日本に存在しないだけである〉
こう語るのは、プラットフォーム(PF)問題を長年取材してきた読売新聞編集委員の若江雅子氏だ。
〈メタは現在、コンテンツモデレーション〔違法情報やポリシー違反の情報を削除したり、利用者のアカウントを停止したりする管理〕の99%以上をAIに委ねていると説明している〉
〈AIによる自動審査の精度は十分ではないため、最終的にその国の言語や文化、社会状況を把握する人間が目を通さなければ、対応漏れや過剰な削除は当然に起きるだろう。人間を雇えばコストは膨らむ。それでも、そのコストをかけなかった場合、巨額の制裁金を科されるなど、より大きなコストの発生が予想され、それが得られる利益を上回ると判断すれば、企業は対応するはずだ〉
SNS型の投資詐欺被害はここ数年、急増している。警察庁によると、2023年の被害は2271件、約278億円にのぼり、被害者の4割はメタが運営するフェイスブックかインスタグラム上の広告を見たのがきっかけで事件に巻き込まれている。
こうした状況を受けて、今年3月、総務省の有識者検討会で、PF会社へのヒアリングが行なわれたが、〈質問をのらりくらりとかわすメタ幹部に、検討会の委員らはいらだちを隠せなかった〉という。