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男女間の格差、産業間の格差、職業間の格差、年齢間の格差、職階間(たとえば部長と平社員)の格差、地域間の格差、学歴間の格差など、あらゆる格差が低成長期以降、揃って拡大していたのだ。
なぜ格差は拡大するのか
たとえば、法律上は男女間で賃金の格差をつけることは認められないのだが、全体として見ると格差は拡大している。
それは、正社員の女性が結婚・出産を機に会社を辞めて、子育てが一段落したあと再び働こうと思っても、そのときは正社員とくらべて賃金が半分以下のパートタイマーとして働くしかないからだ。そうしたパートタイマーの女性がどんどん増えていくことで、結果的に男女間の賃金格差が広がっていったのだ。
パートタイマーであるのに、正社員と同じ仕事をしている人はたくさんいる。それでも非正社員という身分だけの理由で、正社員の半分の賃金しか得られない。つまり、正社員による非正社員からの収奪が行なわれたのだ。