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 麗子が頭を丸めて急遽尼僧に扮した交渉の場は、シリアスで緊迫感のあるシーンの連続なのですが、どこかドタバタコメディ感もあり、絶妙な緊張と緩和が描かれていきます。

 ただ、人格破綻者が多い地面師チームのなかでは珍しく、麗子は虚勢を張っているものの情にもろいという人間味がある人物。豊川さんのハリソン、北村さんの竹下、ピエールさんの後藤らと並ぶとアクの強さで負けています。

 そのため小池さん演じる麗子はクレイジーな地面師たちのなかでは感情移入しやすいキャラとなっているので、作品の世界観に現実味を持たせる役割も担っていたように思えます。言い換えれば小池さんのさすがの演技力によって麗子はあまり目立たず、その代わり物語にリアリティを与える一助になっていたと言えるでしょう。

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麗子が殺害される様子や遺体は映し出されない…

 さて、そんな麗子に関して、熱心なファンの間では考察熱が高まっています。

 最終話、人気(ひとけ)のない夜道を一人歩く麗子の後ろに、怪しい男が二人忍び寄るという場面が彼女のラストシーンでした。これは麗子が暗殺されることを示唆しています。

 同じように怪しい男が背後から忍び寄っていた地面師チームの他のメンバーは、殺害されたことがニュース番組で報道されました。けれど麗子の場合は報道されず、殺害される様子や遺体が映し出されたわけでもない。“麗子生存説”がまことしやかに囁かれているのです。

※写真はイメージ ©AFLO

 大ヒットとなった「地面師たち」を前に視聴者たちのシーズン2への期待はふくらみ、おそらく麗子は意図的に生死不明となり、すでに続編の構想があって、麗子も引き続き登場する伏線なのではないか? という考察が成り立つというわけです。

 実際には、ファンが納得する続編ストーリーを作る余地があるのか、主要キャスト陣がオファーを受けて続投してくれるのかといった問題はあれど、Netflixのビジネス的見地から考えればシーズン2制作のゴーサインは出るのが濃厚といえるのではないでしょうか。

「地面師たち」は全7話なので、丸1日あれば余裕で一気見できるボリューム。1日使えばこの盛り上がりに追いつけるのなら、タイパも上々でしょう。