『週刊文春』2024年9月12日号で、巻頭カラーグラビア「原色美女図鑑」に初登場を果たした香音。放送中の主演ドラマ『愛人転生 ―サレ妻は死んだ後に復讐する―』では、不倫された妻の魂が夫の愛人の体に宿るという難役に挑んでいる。

「父・野々村真の名前に頼らず、女優として独り立ちしたい」と語る彼女の“今”に迫った。(全2回の後編/前編を読む

事務所提供

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「爆発する怒り」を見てほしい

――丁寧に作り上げられた引き算の演技はもちろん、やはり香音さんが千里として見せる「激情」にも期待が高まります。

 夫を罠にはめるために普段は感情を隠しているのですが、あるシーンでは本当に怒りで全身が震えました。ちょっとした破裂ではなくて「爆発」。とても衝撃的なので、ぜひハラハラしながら見守っていただきたいです。

©「愛人転生」製作委員会・MBS

――その他の注目ポイントは?

 オープニングがすごくドラマチックでカッコいいんです! 撮り方もアングルも、これまで体験したことがない特殊な方法で。「転生=入れ替わり」「狂気」など、作品のテーマが全部ギュッと詰まっています。深夜1時から朝の4時まで頑張って撮ったので(笑)、ぜひご覧ください。

 本編も注目ポイントだらけで、原作漫画に忠実な先の読めないストーリーと、ドラマならではの“リアル”に落とし込んだお芝居や世界観を楽しんでいただきたいです。「復讐劇」だけだと観ている側も気を張って疲れてしまうと思うのですが、『愛人転生』にはホッとしたりキュンとしたり、くすっと笑えたりする息抜きの時間があって。千里さんの大学時代の同級生とのすごく素敵な恋愛模様とか、家族愛とか、ほっこり温かい気持ちになれる。辛いだけじゃなくて救いがあるんです。

 なので色んな層の方に響くというか、皆さんきっと共感できる部分があるんじゃないかな。観る人それぞれが歩んできた人生とリンクする物語だと思うんですよね。「不倫する悠太、最低!」と怒りを覚えたり、もしかしたら「心当たりあるな」とドキッとしたり……。

©「愛人転生」製作委員会・MBS

 人間の悪い面を鋭く突いたドラマですが、それぞれのキャラクターのバックボーンも描かれるので「ああ、こういう生き方をしてきたんだな」と“悪いだけじゃない”顔も見えてくるんです。人ってやっぱり多面的な生き物なんだなって。「付き合う人はちゃんと選びなさいよ」という教訓もあれば(笑)、「周りの人をあらためて見つめて大切にしよう」とも感じられる作品だと思います。