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「ドアが完全に開いたら、いきなりボコして大丈夫です」

「グループは匿名性の高いSNS『テレグラム』を連絡手段としていましたが、実行犯が参加するグループトークのタイトルは『詐欺ババア成敗隊』『水曜日、ババア案件』。つまり実行役には、被害女性が犯罪収益を貯めていると嘘の説明がされていたのです。『木曜日、ハシゴできるかな?』というトークもあり、被告は狛江の事件翌日に足立区でも窃盗未遂を犯しています」(前出・社会部記者)

「ババア」を冠したトークでは、「キム」と名乗る指示役が「ドアが完全に開いたら、いきなりボコして大丈夫です」「落ち着いて。迅速に的確にお願いします」などと理不尽な指示を繰り返していたという。

 この「キム」は、フィリピンを拠点としていた渡邉優樹被告(40)らとみられ、今後は渡邉や今村(きよ)()被告(40)ら幹部の公判も焦点となってくる。

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「キム」と名乗り指示を出していたとみられる渡邉優樹被告

 司法関係者は「被告はバールで女性を殴ったのとは別の実行犯だが、それでも懲役23年が下された。バールで殴った男はさらに重い刑が予想される。ましてや、狛江の事件を含む大量の事件を指示していた指示役については無期懲役が視野に入るが、死刑までいくかは微妙だ」と分析する。

 まれにみる凶悪犯罪の全貌が明らかになる日も近い。