1999年、地元紙の報道により、教え子の3年生の男子生徒(14)にみだらな行為をしていたことが露呈した、元音楽教師の女性(23)。この許されざる恋はどんな結末を迎えたのか? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 女の性犯罪事件簿』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なお本書の登場人物はすべて仮名であり、情報は初出誌掲載当時のものである。(全2回の2回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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元教師の女と付き合った教え子S君の人柄

 校長や教頭がウソを言っているようには思えない。最後に校長は席を立ちざま、被害者とされるS君についてこう漏らした。

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「話もできないほどのワルというわけではありません。私たち教師にも、自分から寄ってきますしね。一時期は勉強も熱心にやり始めて…。確かに家庭環境はちょっと複雑ですが、やっぱり最初から悪い子なんていないわけですよ。私は環境だと思いますね」

 続いて真紀が生徒を連れ込んだというカラオケボックスを当たることにした。これもいきなりだったが、同店店長が対応してくれた。

「私もはっきり顔は知らないんですが、1件だけ思い当たることがあります。確か平日だったと思いますが、制服姿の男の子2人と女の人が入ってきて、フリータイムで歌っていたことがありました。その際、男の子たちは『先生』『先生』と呼んでいましたから、どうもそれだったんじゃないかと。うちは未成年には酒は出しません。男の子たちは片方が背が高くて、片方が背が低いという2人組だったと思います」

 真紀が連れ込んでいたというカラオケボックスは2つある。この店は否定したが、真紀は生徒たちにねだられ、生ビールなどを注文し、酒を飲むのを黙認していたという。

 もう一軒の店にも取材を申し込んだが、「取材拒否」だった。

 さらに真紀が生徒たちとの待ち合わせ場所によく使っていたというコンビニを突き止めた。同店店主は案の定、真紀どころか、S君のことも詳しく知っていた。

「Sは中1の頃から知ってるよ。初めてあの先生と一緒にいるところを見たときは、一緒に遊んでいる女友達かと思っていた。それである日、『誰や、アレ?』と聞くと、『先生』と答えた。一緒にいるところは3回ぐらい見たかなぁ。たいてい2~3人で一緒にいて、2人きりでいるのは見たことがない。ところが、見ていると先生と肩を組んだりしているし、『お前ら一体、どういう関係なんだ?』と聞いてみると、『彼女なんだ』と言う。『ウソをつけ。お前が勝手にそう思い込んどるだけやろ』と聞くと、『本当だ』と言う。ある日、自転車に乗ったSに出会ったので、『どこへ行くんだ?』と聞いてみると、『先生が電車に乗ってくるから、駅まで迎えに行く』と答えていた。

 確かにあの先生はパッと見、女子高生に見える。Sも女の噂が絶えん男で、お菓子を貢いでいる女の子がいるという話を聞いたこともある。グレてはいないが、いつ学校へ行っているんだという感じで、普通の中学生には見えなかったね」

 驚いたのはここからである。かつて真紀が待ち合わせ場所に利用していたということは、今でも生徒たちのたまり場になっているのではないかと思い、しばらくコンビニで待っていると、それっぽい5~6人の集団がやって来た。