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――そんな樹木さんを吉村さんはどう?

「変わった人だな~」みたいな感じで(笑)。

――樹木さんからお芝居についてのアドバイスはあったんですか?

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 いや、樹木さんは一貫して「お芝居のうまい下手や、役作りっていうのが、私は全然分かんない」と仰っていました。「生きてきたものが出るだけの話だから」と。僕もそれを聞いて、樹木さんが年齢とキャリアを重ねて生きてきたものがお芝居に現れている、そのことにすごく憧れるな、と思いました。かといってそれを真似してやろうとは微塵も思っていないんですが。真似できるものでもないですしね。

樹木希林 ©文藝春秋

――「生きてきたものが出るだけ」というのは、逆に難しいような。

 そうですね。「失敗してもとにかく人生は続いちゃうからね」みたいな感じだと思うんです、樹木さんが思ってることって。「うまくいこうが失敗しようが、結局人生は続いちゃうからあんまり頑張りすぎないで! でも、へこたれないで」みたいなメッセージを受け取った気がします。

「どういう子がタイプなの?」樹木希林と恋愛話になり...

――演技や芸能界の他にはどんなお話をしたんですか?

 恋愛の話を(笑)。本当に、大学生が居酒屋で話すような感じで、「あなた、好きな子がいるの?」とか「どういう子がタイプなの?」とか……。当時、樹木さんが一緒に仕事した女優さんがいて、「あの子が界人くんのことが好きって言ってたわよって、そう伝えてねって言われたから、あなたに今伝えたからね」と(笑)。僕はその女優さんに会ったことなかったし、今も会ったことないんですが、「ああいう子はどうなの?」と聞かれたり(笑)。樹木さんのお話もしてくれて、ご主人の内田裕也さんのことを「ああいうめちゃくちゃな人が好きなのよね」と言っていましたね。

 

――貴重な時間ですね。撮影自体は何日くらい?

 3日くらいだったと思います。その後、打ち上げ、舞台挨拶でもお会いしました。

――打ち上げではどんなお話を?

 打ち上げは帝国ホテルで、僕はその時初めて行ったんですが、ああいうところってめちゃくちゃ広いじゃないですか。料理にしたって大きい皿にちょっとご飯が乗ってて(笑)。打ち上げ会場もそんな感じに広くて、やっぱり主演の山崎努さんと樹木さんは大御所ですし、みんな近寄りがたく遠巻きに見ていて。みんなが、「あそこに行けるの吉村くんしかいないと思う!」と言うので、「はい!」って樹木さんの元に行って声を掛けて(笑)。樹木さんも快く、「ちょっと座って話そうよ」って。その時に、「ちょっと私、今度バラエティーに出なきゃいけないんだけど、あなた一緒に出なさいよ!」と言われ、後日『ぴったんこ・カンカン』に出させていただきました。