2024年2月、SNSでの不適切な投稿や配信が原因で吉本興業からマネジメント契約を解消され、お笑いコンビ「プラス・マイナス」の解散にまで至った岩橋良昌さん。その背景には何があったのか。以前から公表していた強迫性障害との関係は? YouTube「たかまつななのSocial Action!」で、その本音に迫りました。(聞き手:たかまつなな/笑下村塾)

元「プラス・マイナス」の岩橋良昌さん(右)とたかまつななさん

「本当に苦しい病ですよね。死にたくなる病気です」

――岩橋さんは、自身が強迫性障害であることを公表しています。冒頭で、パワハラを告発したのもこの病気の症状が爆発して自暴自棄になったことがきっかけだと話されていましたが、どんな病気なんですか?

岩橋 「悪魔の病気」と呼ばれています。例えば、ガスの元栓を何回も確認しちゃうんです。大丈夫と思って家を出ても、ガスがついているんじゃないかというのが浮かんできちゃう。それが強迫と呼ばれるもので、確認しに行けば安心してすっきりするんですけど。そのあと玄関を出たぐらいでまた「ガスの元栓が閉まってないんじゃないか」というのが襲ってくる。そこで我慢して出発できれば、30分か1時間後には消えることが多いんですが、どうしても我慢できずに確認しに行ってしまう。この地獄のループ、本当に苦しい病ですよね。死にたくなる病気です。

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――死にたくなるほど、苦しいんですね。

岩橋 事実、仕事のパフォーマンスへの影響もあります。芸人が面白いのはトランス状態で何も気にならずにトークと漫才に集中できているときなんですけど、頭に強迫が浮かんでしまっているときはどうしても面白さが見劣りするんですよ。他にも自己嫌悪が襲ってきて、疎外感と孤独感、劣等感からうつのような状態に入っていって。死にたい、なんで俺だけこんなやねん、苦しすぎる。なんで夢を邪魔すんねんみたいな。そういう「どぎつい病気」ですね。

――仕事中にそういう癖が出るとき、どうしていたんですか?

岩橋 本番が始まるときの「3秒前、2、1」みたいなのが苦手で。あれが怖くて、あのカウントが始まるとすごい癖を出したくなるんですけど、そうならないために1人で早めにテレビ局に入ってトイレの個室でいろいろなことを処理して「よし」となって楽屋に戻ってスタンバるんですけど、また気になってトイレに行ってみたいな感じです。

――テレビ出演も多かったのに、そのたびにそれは大変ですね。

岩橋 漫才に出ていく前に毎回。だからしんどくなっちゃうんです。年間600回くらいそんなことがありました。