昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

TOKIO元メンバー山口達也事件と、芸能界の「危機対応」

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

財務省による一連の対応とは真逆

速水 今回の山口達也の事件にまつわる一連の流れは、財務省の一連の文書改ざんやセクハラ問題対応のまるで逆をやった部分は間違いなくあるでしょ。

おぐら 佐川宣寿前国税庁長官が証人喚問で「刑事訴追を受ける恐れがある」として証言をずっと拒否し続けていたのに比べると、TOKIOも山口達也の会見も自分の言葉でしゃべっていたっていう印象になりますね。

国会の証人喚問での佐川宣寿氏 ©文藝春秋

速水 福田淳一前財務事務次官の「あんなひどい会話をした記憶はない」「全体で見ればセクハラではない」ってちぐはぐ発言も、どうしたって比較してしまう。まったく同時期に起きた別の事柄とはいえ、財務省の一連の問題と山口達也の不祥事がカウンターパートに見えてくる……。

おぐら でも結局は、事務所との契約を解除という結果になりました。それだけのことをしたという責任の重さですよね。

速水 「連帯責任」と言いながらも、TOKIOというグループがなくなった場合のダメージは、山口達也一人をクビにする場合とは比較にならないという身も蓋もない理由でもある。

おぐら 福島の野菜にまつわる発言にしてもそうですけど、おそらく10年前のジャニーズだったら、ここまで「社会的な責任」は問われなかった可能性もありますよね。

自身がMCを務める「ビビット」で「福島の野菜の味は変わらない」とコメントした国分太一 ©文藝春秋

速水 今回って、ジャニーズがニュース番組に進出していたということで生じるリスクにはじめて直面したということなんじゃない?

おぐら 事務所として抱えるタレントの数が増えるにしたがって、テレビの中で枠の取り合いをしなければいけないので、その戦略のひとつがニュース番組への進出になってるんでしょうね。

速水 うん。そういう背景なんだろうと思う。事務所内もバラエティーも飽和状態。

おぐら 他の事務所も力を持ってきてますし。

速水 ただ、必ずしもジャニーズのニュース進出が悪いとも思わないのね。夕方の小山くんとかを見ていても、局のアナウンサー以上に如才なく進行をすすめるわけだし、何か問題でも? という側面もある。かつては七三に分けたアナウンサーがつまらなそうに原稿を読むのがニュースだったわけだし。

おぐら ニュース番組をジャニーズ事務所が制作しているわけじゃないですしね。

速水 まあ、数字もとるわけだからテレビ局側としても、もう引き返せないところに来ているんだろうな。