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小泉進次郎は「知的」の青をイメージカラーに「総理感」をアピール

 小泉進次郎さんは、強烈に鮮やかで深い青をイメージカラーに掲げています。

 青は色彩心理学的に、ズバリ「知的」、そして「信頼」。立候補会見でも「知的レベルが」という質問を受けるなど揶揄される中で、ノンバーバル(非言語)の面からも知的な姿を印象づけたい意図を感じます。

 ネクタイも青系統の色を選んでいます。小泉さんは以前から青系統のネクタイを身に着ける機会が多かったですが、他の候補者と並ぶと、鮮やかさがさらに引き立ちました。

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 ネクタイの締め方にも、特徴が見られます。他の候補者がウインザーノットという大きなファッション性の高い締め方で威厳を出す中で、小泉さんは世界の首脳たちが、公式の場でまとうシングルノットを選択しています。

 きゅっと締め上がった小さな結び目も知性や覚悟の印象を与えます。

小泉進次郎氏 ©時事通信社

 出馬会見などここぞという場面では、光沢のあるシルク素材、柄はソリッド(無地)を選んでいます。ソリッドも、世界の首脳たちのデフォルトで、国際会議の場に立つことがイメージできる姿を押し出しているのでしょう。

 加えて小泉さんはジェスチャーが秀逸です。感情に任せたジェスチャーをする候補者が多い中で、小泉さんは1つ1つの動作に意味を持たせ、力強くシンプルに使いこなしています。

 目力が強くキリッとした表情が多いですが、時に憂いを感じさせるのも特徴です。自民党の所見発表では実母との葛藤という悲嘆を明かし、聴衆のショックと共感を誘いました。

 人間は一般的に他人の幸せより、悲嘆や辛い体験談に心を揺さぶられます。つい自分の能力や功績を誇りたくなる総裁選で、あえてネガティブな感情を表明したセンスは他の候補者にはないものです。

 発声も腹式呼吸で安定していますが、演説は言葉の冒頭にインパクトがある節を置いているようです。話が伝わるかどうかは、内容だけでなく話し方によって大きく変わります。質疑応答時の会話調の発言が印象に残るのも、余裕を持って自分の言葉で話しているからでしょう。