1ページ目から読む
2/3ページ目

黒岩 24歳で結婚したんですけど、プロポーズの時に安野から「二人の結婚生活に向けた提案書」という中長期プランのプレゼンを受けて。このプランには具体的なことは何もなくて、「変化に対応し続ける」ってことだけが書いてあるんです。

黒岩里奈さん

安野 そうだったね。

黒岩 印象に残ったのが、「人間の世界モデルの捉え方には3パターンある」という話で(と、ホワイトボードに成長曲線のようなグラフを書き始める)。この3つのグラフのうち、最も加速度的に変化するのが自分だ、と安野が言っていて。

ADVERTISEMENT

安野 無理してグラフ書かなくて良かったんじゃない?(笑)。

黒岩 たしかになくてもよかった(笑)。で、「里奈はどの世界モデルでいきたい人?」みたいなことを聞かれて、私も「加速度的に変化する世界を見てみたい」と。安野と同じ方向性だったので、「お互いに握れたね」って話をしたんだよね。

安野 僕の認識としては、世界はずっと指数関数的に急速に変化し続けていると思っていて。そのスピードに自分が対応できるかどうかは別として、自分は変化を起こす側にいたい、という思いはずっと変わってないですね。

黒岩 この話って、お互いが何に面白さを感じるか、ということに直結するなと思ったんですよね。

――プロポーズの時、安野さんが「提案書」を作成したのはなぜ?

安野 新卒で入ったコンサルティング会社でクライアント向けに経営計画を作って提案していたので、結婚というものに対しても中長期の計画を示すのが筋ではないか、という考えのもとですね。コンサル用語でこれを「プロポーザル」と言うので、原義の通り、里奈にもプロポーザルしました。

黒岩 今回の選挙もだけど、学んだことをすぐ活かすタイプだよね。

安野 「演説ではカタカナを控えるように」ってアドバイスもすぐ取り入れたしね。そうやって素直に成長を果たすタイプです(笑)。

黒岩 コンサル的だなと思ったのが、結婚にあたっての役割が因数分解されていて、さらに、その役割に対してどういうKPI(評価指標)を設定しシグナルが測れるかを、毎週土曜日に送られてくるフォームに記入してフィードバックするというシステムも作っていたこと。

 

安野 会社のストレスチェックなんかに着想を得て作りましたね。

黒岩 でも、私が面倒になってしまって、3回くらいで終わっちゃった。

安野 毎週打ち込む手間があったから、サステナブルなシステムかというと、そこは失敗だったね。

出会いは「マインスイーパーが世界一速い人」と「新しいプロダクトを生み出す面白い人」

――お二人は東京大学の同級生という間柄ですが、馴れ初めは?

安野 大学1年生の時から共通の友人も多く、顔見知りではあったんです。

 ちゃんと喋ったのは大学3年の時、エクストリームな人に取材するという教育プログラムの一環で、「マインスイーパー(PCゲーム)が世界一速い人」ということで、里奈にインタビューした時ですね。