「2週間ちょっとの間に3回…」妻との意外な出会い
――「短いスパンでたまたま何回か会った」というのは、大谷さんの生活を考えたらジムしかないと思ったんですが……。
「ジムではないんですが、練習しているときだったみたいですね。というのも僕にとってはそこが微妙なところで、彼女が『最初に会った』と言うときのことを僕は認識していなかったんです。彼女曰く『すれ違いざまに挨拶してくれた』と言うんですけど、僕はそれがどこなのか思い出せない。練習施設の中の廊下だって……でも、その次の2回目と3回目に会ったときのことはしっかり覚えています。だから、2週間ちょっとの間に3回、うち2回は会ったのを僕も覚えています(笑)」
――大谷さんはエンゼルスを選んだときも右ヒジの手術を決断したときも、直感を大事にしてきましたが、今回も直感のようなものはあったんですか。
「どうなんでしょう。それもあるとは思いますが、一緒にいて楽だし、楽しいし。僕はひとりでいたときとそんなに変わらずにいられるんです。彼女がいるからといって喋り方が変わるとか食べ方が変わるとか、そういうことなく、気を遣う必要がないので、最初から僕は何も変わらずにいられるというスタイルでした。そういうところなんじゃないかな」
――それこそ決め手じゃないですか。
「決め手か……決め手は、何なんでしょうね。僕にもわかんないです。これっていうものが、悪く言ったら決め手を欠くし、よく言えばいっぱいあるし……へへへ」
大谷翔平が考える「ささやかな幸せ」とは
――“野球翔年”大谷翔平、いつまでも子どもだなあと思っていましたが、ついに夫なんですね。
「そうですねぇ……と言いつつも、僕は変わっていないので、結婚したりワンコがいたりというのは変わったところですけど、今のところは実感はないですね。子どもができれば変わるのかもしれませんけど、そこまでの大きな変化は感じていません」
――彼女の前では子どもなんですか?
「僕ですか? どうなんでしょう。僕のほうが年上なので……でも、それは彼女に訊かないとわかりません(笑)」
――では、“野球翔年”恒例の、大谷さんのささやかな幸せを教えて下さい。
「今ですか……家の庭が広くて、プールもけっこう広いので、デコが泳ぎを覚えました。僕はまだヒジのことがあって泳げないので、デコの補助をしています。デコにライフジャケットのようなものを着せたら自分からプールへ飛び込むようになって、今は投げたおもちゃを飛び込んで取って、ちゃんと僕のところまで戻ってきますよ。デコですか? 犬かきで泳いでます(笑)」
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ベースボールジャーナリストの石田雄太氏が、2018年から7年間にわたって、大谷翔平と一対一で向き合ったロングインタビュー『野球翔年II MLB編2018-2024 大谷翔平 ロングインタビュー』(文藝春秋)が好評発売中! ぜひ書籍で全文をお楽しみください。